出版社内容情報
《内容》 1970年代に始まった遺伝子研究の新たな展開は、遺伝子に関連するさまざまな研究分野に多大な影響を与えた。真核生物の分断化された遺伝子の発見からスプライシングという新しい概念が生まれたのもその一つである。こうした流れのなかでRNA研究は飛躍的に発展することになった。遺伝情報の伝達と発現過程における仲介者というRNAにかんする古典的な概念は一新され、プロセシング、翻訳過程、輸送などの基礎的な問題だけでなく、減数分裂、発生・分化、神経系、病態などの高次復号形質の発現制御にも広がりをみせている。いまやRNA研究は生命現象の多様な局面と深くかかわり合っていることが明らかになっている。こうしたRNA研究の展開における代表的なトピックについて、わが国を代表する研究者によって解説されたのが本書である。本書により現在のRNA研究における最前線の息吹が知れよう。とりわけ、若い研究者、あるいは学生が本書によってRNA研究のおもしろさ、すばらしさを理解されることを願う。RNA研究のすべてをまとめた待望のレビュー集。ライフサイエンス分野のすべての研究者に必読。<主要内容> RNA研究の歴史と展望/リボザイム/機能性RNAの創製/tmRNA/ミトコンドリアTrnaの特異構造と翻訳特性/アミノアシルTrnaシンテターゼの構造とTrna認識機構/Trna擬態/RNA interference/snRNAとスプライシング/snoRNA/リボソーム/リコーディング/RNA結合タンパク質とRNA輸送/発生・分化/ミトコンドリア病とTrna/RNAエディティング/テロメラーゼ
内容説明
DNAでもない、タンパク質でもない。生命を生み出し、進化させ、生体機能の中心となっているのはRNAだ。翻訳からスプライシング、リボザイム、RNAiまで。RNA研究のすべてをまとめた待望のレビュー集。
目次
1 RNA研究の歴史と展望(RNA研究の歴史(リボザイム発見前;リボザイム発見後)
今後の展望)
2 RNAの機能構造(リボザイム;機能性RNAの創製;tmRNA;ミトコンドリアtRNAの特異構造と翻訳特性 ほか)
3 RNAとタンパク質の複合機能(snRNAとスプライシング;snoRNA;リボソーム;リコーディング ほか)