出版社内容情報
《内容》 近年,溶液中でのタンパク質の構造変化を研究するさまざまな生物物理的方法が開発され,ミリ秒以下の反応を測定する事が可能となり,また,構造的な分解能も向上した.これらを利用することによって,タンパク質の速いフォールディング反応の研究はめざましく発展した.フォールディング反応の初期段階の機構や,そこでのタンパク質構造が明らかとなり,速くフォールディングするタンパク質については遷移状態の構造をきわめて詳細に記述できるようになった.フォールディング反応がいくつかの異なったモデルで説明できることも明らかとなった.そして,一見,複雑に見えるフォールディング反応がきわめて迅速に進行する理由は、以前にも増してよく理解できるようになった. 本書の目的は,特に生物物理,生化学,生物工学,医学などを専攻する学生に,今日,実際に使用されている生物理学的方法を紹介することである.タンパク質のフォールディング反応を中心に,タンパク質の関与する反応の速度論的解析,構造的解析に焦点を当てる.紹介する手法は学際的色彩が色濃く,数学,生物物理学,分子生物学の多岐にわたる.これは他書にはない特徴であろう.これらの手法は,開発・応用の両面で,日々,進歩している.これらの実験や装置の詳細に関して重要と思われることは,できるかぎりくわしく解説した. 【主要内容】 タンパク質の構造/タンパク質の物性を決める物理的相互作用/反応速度定数の計算/タンパク質フォールディング反 応の高分解能速度論解析/遅い反応を研究する速度論的方法/溶液中でのタンパク質構造の解析/過渡的コンフォメ ーションの高分解能構造解析/反応の速度論的および構造的分解能に関する実験上の問題/バルスターのフォールデ ィング経路: 135 マイクロ秒から秒の時間領域における,残基レベルでの解析
内容説明
本書の目的は、特に生物物理、生化学、生物工学、医学などを専攻する学生に、今日、実際に使用されている生物理学的方法を紹介することである。タンパク質のフォールディング反応を中心に、タンパク質の関与する反応の速度論的解析、構造的解析に焦点を当てる。紹介する手法は学際的色彩が色濃く、数学、生物物理学、分子生物学の多岐にわたる。
目次
1 序
2 タンパク質の構造
3 タンパク質の物性を決める物理的相互作用
4 反応速度定数の計算
5 タンパク質フォールディング反応の高速速度論解析
6 遅い反応を研究する速度論的方法
7 溶液中でのタンパク質構造の解析
8 過渡的コンホメーションの高分解能構造解析
9 反応の速度論的および構造的分解能に関する実験上の問題
10 バルスターのフォールディング経路:マイクロ秒から秒の時間領域における、残基レベルでの解析
11 結論
著者等紹介
ネルティング,B.[N¨olting,Bengt]
プロシア私設ベルリン工業研究所
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。