内容説明
本書は、位相幾何学、数論、数理物理学など多方面の分野に現れる「反復積分」に焦点をあてた初の解説書である。反復積分の概念は、逐次積分など古典的な微積分学にその原型を見いだすことができるが、本書では、多様体上の微分形式の反復積分を多様体のループ空間の微分形式として定式化し、K.‐T.チェンによって創始された、ループ空間のド・ラム理論と基本群のド・ラムホモトピー理論を基礎的な部分から解説している。さらに、サリバンの極小モデルによる有理ホモトピー理論との関連を述べるとともに、超平面配置、多重対数関数と多重ゼータ値、結び目のコンツェビッチ積分などへの応用を多岐に渡って統一的に扱っている。
目次
第0章 反復積分―無限次元空間と非可換性への序章
第1章 反復積分の基礎概念
第2章 ループ空間上の微分形式
第3章 反復積分とループ空間のコホモロジー
第4章 ホモロジー接続とホロノミー写像
第5章 基本群とde Rhamホモトピー論
第6章 無限小組みひも関係式とその応用
第7章 反復積分と体積
著者等紹介
河野俊丈[コウノトシタケ]
東京大学大学院数理科学研究科教授。1981年、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。名古屋大学理学部助手、九州大学理学部助教授などを経て1995年より現職。理学博士。専門分野:位相幾何学、数理物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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水紗枝荒葉
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Chenの反復積分に関する論考集。代数トポロジーを中心にいろんな幾何に馴染みがあることが前提。第0章はアクセル踏みすぎなのでとりあえず無視してよい。第1-2章が思ったより丁寧。無限次元の危うさをスルーしてる感もあるが。第3章においてChenの基本定理という、ループ空間におけるde Rhamの定理(反復積分であらわされる微分形式のなすバー複体のコホモロジー群が特異コホモロジーと同型)を証明する。反復積分が本質的に効くのは高次・非可換な対象についてであり、どうしても難しくなる。2026/03/25
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