内容説明
あなたにとって、日本の魅力とは何でしょうか?四季のある豊かな自然、そしてそこから生み出され、大切に受け継がれてきた食べ物、ものづくりの技、芸術、行事、しきたりなど。日本で生まれ育った私たちには当たり前のことでも、外国の人たちには不思議に見えることがあったりします。そこで、日本の自然と文化の魅力を、まず私たち自身が見直し、学び直し、それらを後世と世界の人たちに伝えていきませんか?
目次
第1章 識る―日本人はなぜ桜が大好きなの?(桜の歴史は花見とともに;桜を詠む・著す;桜の名場面)
第2章 巡る―いつか出かけてみたい桜の名所へ(古都の桜―奈良・京都;城址の桜―弘前・高遠;一本桜―三春滝桜・山高神代桜・根尾谷淡墨桜・醍醐桜・一心行の大桜)
第3章 愛でる―さまざまな桜への想いにふれて(和菓子;樺細工;桜染め;絵付け)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
48
桜に関する日本の古典、歌舞伎、など 綺麗な写真と共に紹介。 吉野、弘前、高遠、見てみたいですね。もちろん京都も。桜の季節には行ったことない2023/03/04
らん
20
桜は中国からやってきて各地の山々に自生。履中帝が自分の宮を稚桜宮と称したのが桜文化の始まり。宮中で花宴を初めて開いたのは嵯峨天皇。昔は桜よりも梅のほうが愛でられていた(梅を詠んだ歌は桜の倍以上)。桜の歴史、桜をモチーフとした和歌や物語、落語、和菓子、伝統工芸、歌舞伎舞踊のあらすじと見どころの解説等記載。『義経千本桜』『籠釣瓶花街酔醒』は観てみたくなった☆奈良の吉野山の桜を最も愛した西行、どんちゃん騒ぎする花見を嫌ってた兼好法師。徒然草は懐かしい!美しい文だなぁ☆西行の『願はくは 花の下にて…』も好きだ。2022/03/29
圭
20
「花ぐはし桜の愛で」と桜の美しさを詠んだ日本最古の和歌。万葉の桜歌、平安貴族の文化から庶民に広まった花見、歌舞伎、和菓子。古代は山桜や江戸彼岸、平安の八重桜や枝垂、鎌倉の大島桜、明治以降の染井吉野と鑑賞される桜の種類の流行の変化はありながらも、有名な祇園、弘前、高遠の桜の名所も、三春滝桜・山高神代桜・醍醐桜などの1000年以上の一本桜も、桜を植え守ってきた人達の物語があります。日本の桜の文化史は、時代が変わっても桜をずっと愛してきた日本人の心そのものの様に思えます。2015/05/16
猫
7
桜が日本人に愛されてきたその歴史と文化を詰め込んだ1冊。桜=染井吉野の印象がどうしても強いけど、古来愛されてきたのは山桜で、その趣も随分違ったよう。桜の名所の紹介もあり、写真で見ると綺麗なのだけど、実際に行くと人が多くて花見どころじゃないんだろうなぁ…。 あと、前書きでキンモクセイで春を感じるという記述があったのは「???」四季咲きのキンモクセイがあるのか、あったとしてもその名前に春を感じる日本人はいないんじゃないのか…謎。2016/04/18
ぷれば
7
まるごと桜、桜。桜の歴史、和歌や文学といった文化、歌舞伎や落語など庶民とともに愛され育まれた桜を「識る」。古都に、城址に、そして悠久のときを刻む堂々の一本桜を「巡る」。桜モチーフの和菓子や樺細工、桜の染色、絵付けなど「愛でる」。最初は気軽に目を通すつもりで手にしたが、お見逸れしました。隅々まで、じっくりしっかり…桜を堪能しました。桜待つ季節に再読したい。2015/06/15