内容説明
地下水はどこから来て、どう流れているの?海の下にも地下水はあるのですか?井戸水が枯れるのはどうしてですか?地下にダムを作って地下水を貯めているって本当ですか?名水百選とはどのようなものですか?災害があったときに井戸があると役立つって本当ですか?日本の地下水政策はどのように変遷してきましたか?など、50の疑問と10のトピックスに第一線で活躍する日本の地下水・湧水研究者がていねいに答える。
目次
1 地下水・湧水のきほん
2 井戸による地下水の利用
3 地下水・湧水の利用と保全
4 地下水・湧水に関わる観光・信仰・文化
5 地下水の汚染
6 気候変動・災害と地下水
7 地下水・湧水に関わる法制度
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tkmt
2
地下水について。適当に学んでいた分野だったけどちゃんと学ぶと色々な発見や納得がある。2020/11/16
ぴのこ
2
専門家が複数の論文をもとに地下水や湧き水についての疑問にわかりやすく答えている本。わかりやすくなりすぎていて、もう少し難易度を高くしても良いかと思う。 リニア建設について静岡県がかなり慎重になっている理由が知りたくて読んだ。 地下水の流れは一年で1mということから、数十年先の影響をどれだけ予測できるかが決め手になるのではないかと思うが、これは素人目にしても簡単ではないと思った。2020/07/20
緑のたぬき
1
PFASやら大分県日出町イスラム教徒土葬問題で地下水汚染が気になるので読む。色々と詳しく解説。せっかく水資源が豊富な日本で、汚染垂れ流しはやっぱり辞めた方がよいのではなかろうかと思ったり。2023/05/20
beer98
1
★★★☆☆地下水・湧水を、科学的な観点、利用・保全にかかる政策・法律・条令、文化・信仰、災害時の利用などが平易な言葉で解説されている。湧水のパートは全体の1/4程度。「地下水や湧水の異常は地震や噴火が起こる前触れであるって本当ですか?」など、企画としてとても良い。ただし解説は平易な文書とはいえ、一般向けでないところも多く、また硬い。自分ならもっと面白く書けたかも、などと感じた。2020/07/26
竜王五代の人
0
暖かい地下水、つまりは温泉や、鍾乳洞などもカバーしている幅広い本。とはいえ汚染や法制度、地盤沈下など、割と実際的でお堅い項目が結構多い。興味深かったのは、地下ダムのことや、地下水があるということは水圧がかかるということで、地下鉄の駅などは水中に浮かんでいるようなもの、ということ、川水と違って、自分の土地の下の水は(つながっているのに)全部自分のもの、という「私水」論がはこびっていたこと。2021/04/12