内容説明
16~18世紀、資源の乏しい小国オランダはニシン漁業で財をなし、欧州一の繁栄を誇った。オランダ黄金時代の栄光を海洋技術の発展とともに描く。
目次
オランダの海とニシン
バルト海のニシンとハンザ
中世の北海ニシン漁
二つの海洋国、オランダと英国
ニシン塩漬け作業のマニュアル化
ニシンと市民生活
海の帝国になったオランダ
オランダ海運の強さの秘密
アムステルダムは世界を制した
オランダ共和国は世界の中心へ―捕鯨国へ発展
東インドへの航路
海に生きた東インド会社
近代海図の誕生
著者等紹介
田口一夫[タグチカズオ]
昭和26年函館水産専門学校(現北海道大学水産学部)遠洋漁業科卒業。同31年鹿児島大学水産学部(助手)。平成7年鹿児島大学名誉教授。工学博士(LF、VLF航法電波の伝搬に関する研究)。1級海技士(航海)。双曲線電波航法について35年間研究する
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
4
素晴らしき本。タイトルからは想像もつかない濃い内容で、近代欧州船舶技術史と銘打つべきでは。特に後半は世界航海とそれを支える技術の話で、ニシンなど欠片も出ない(船に積まれる食事ですら鱈だ!)。著者が実際に船乗りをやっていた航海法の専門家なので、大航海時代の歴史本ではさらりと流される外洋の厳しさをリアルに伝える描写があったり、現代の航法の知識から逆算して当時の状況に仮説を立て、それを調べに行く過程など、いわゆる歴史学者の本ではお目にかかれないものが目白押しだった。講談社学術文庫あたりに収録されるのを願う。2024/07/31
俊太郎
0
海洋国家としてのオランダを主軸に航海術や海図、漁猟の変遷について記したもの。ではあるのだが、妙に脱力した語り口やちょこちょこ挟まれる脱線がまるで大学講義をそのまま口述筆記したかのような印象でちょっと不思議。2017/11/05
たぬき
0
日本人は魚食だ 欧州人は魚を食べない なんて テキサス人を典型に見てはいけない2010/06/23
ワッキー提督
0
馴染みのない部分もエッセイ調で軽快に読めた。近世における各産業の連動が興味深い。図書館2018/04/03
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