内容説明
今日の経済理論は「社会はただ一度だけ行動を起こす」という仮定の下に構築されている。このように経済学における時間は単純な形式をとるが、著者は刻々と生起する経済のダイナミズムをこのような時間の枠組みで分析することの限界を示し、複雑系の新しい手法と、開放系・知識・選択権・市場性・多様性・創発・自壊といった新たな概念を導入、方法と用語の両面にわたって経済理論の革新を試みる。貨幣の交換媒介機能に焦点を当て、貨幣が自生と崩壊を繰り返すメカニズムをコンピュータ・シミュレーションにより分析、貨幣現象の複雑な振舞いを明らかにする、創見に満ちた画期的業績。
目次
1 時間―経済学の忘れられた次元
2 貨幣という構造
3 貨幣の自成と自壊
4 ハルモニアの頸飾り―貨幣と知識
5 貨幣の国際的価値と商品の多様性
6 多様性のダイナミクス
著者等紹介
安冨歩[ヤストミアユム]
1963年生まれ。1991年3月京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授を経て、2000年4月より東京大学大学院総合文化研究科助教授。著訳書に『満州国の金融』創文社、1997年、森嶋通夫『新しい一般均衡理論』創文社、1994年。ほか
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