内容説明
本書は、人々の勤勉・知識・自由が豊かで秩序ある社会を生み出す「文明社会」の思想像を解明し、伝統的な市民社会とは違うヒュームの文明社会認識を明らかにする。市民社会概念を軸に展開してきたわが国の社会科学研究に真正面から問題を投げかけ、新たな思想史学の可能性を示す。
目次
序章 方法論的覚え書き
第1章 『人間本性論』における社会科学の方法
第2章 『道徳・政治論集』における文明社会認識の起源
第3章 ヒュームのヨーロッパ体験と文明社会認識の形成
第4章 『政治論集』における文明社会認識の展開
第5章 『イングランド史』における商業と自由
第6章 名誉革命体制の危機をめぐるヒュームとウォーレス