実践としての政治、アートとしての政治―ジョン・ロック政治思想の再構成

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実践としての政治、アートとしての政治―ジョン・ロック政治思想の再構成

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  • サイズ A5判/ページ数 321,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784423710555
  • NDC分類 311.233
  • Cコード C3031

内容説明

ジョン・ロックについて未だ語るべきことが残されているのだろうか?―幾多の研究の蓄積と、そのなかで築きあげられた“近代/自由主義”の政治思想という解釈枠組みが揺るぎなく確立している現在、本書を手に取った読者は思うかもしれない。しかしながら、代表作『統治二論』に止まらず哲学・宗教・教育・経済・道徳に及ぶテキストを渉猟し、全体像を視野に入れたうえでその政治観に迫ると、新しいロック像が浮かび上がる。ロックは一方で社会契約説に代表される原理論を構築しながらも、他方で政治を、可変性や偶然性に満ち人間の可能性と結びついた「実践」として、人間の作為による「アートart(芸術/技倆)」として捉え、むしろそこに多彩で豊かな意味を見出していたのである。人間観・秩序観・学問観の洞察から始まり、歴史の文脈のなかに改めて、『統治二論』を位置付け政治思想を剔抉、さらに経済論や教育論の検討を通じて政治を実践する主体像に迫った、独創的なロック論の誕生である。

目次

第1部 秩序・人間・学知(秩序と道徳;可感的世界の肯定;実践学としての政治学、実践としての政治)
第2部 『統治二論』を読み直す(「政治社会」の起源と正当性;プロパティと歴史;政治社会の制度と「政治のアート」 ほか)
第3部 政治の主体とその教育(政治と経済;政治社会における政治主体の徳と教育)

著者等紹介

中神由美子[ナカガミユミコ]
2001年3月東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。2003年4月より立正大学法学部専任講師。専攻:政治学史
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