出版社内容情報
本書は、1919/20年の初期フライブルク大学冬学期講義の記録である。ハイデッガーは、フッサールの助手として職を得たばかりの30歳の若い現象学者であり、本講義は、師への批判を散りばめながら、「生の根源学」という独自の「現象学の理念」を鮮明に打ちだした、極めて野心的な講義である。
目次
予備考察 現象学的問題意識の秘教的な性向を公教的に確認することとしての歴史的概観
第1編 現象学の根源領域としての生(生が現象学の問題圏域であることの証示;相互に入り組む現出層の多様としての事実的生)
第2編 事実的生即自の根源学としての現象学(生領域の現出連関としての学;生の根源学のための経験地盤を現象学的に準備すること)
付録A (ハイデッガー自身の素描から講義の終結部を再構築したもの;補遺)
付録B (オスカー・ベッカーの筆記ノートに基づく、仕上げられた講義への補足;オスカー・ベッカーの筆記ノートにおける講義の終結部)
著者等紹介
虫明茂[ムシアキシゲル]
1953年岡山県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得退学。就実女子大学文学部講師、助教授、フライブルク大学留学を経て、就実大学人文科学部教授。専攻は、脳神経哲学・生命倫理
池田喬[イケダタカシ]
1977年東京都生まれ。2000年東京大学文学部哲学科卒業。2005‐2007年オーストリア政府給付奨学生としてウィーン大学留学、2008年東京大学人文社会系研究科博士課程修了、現在日本学術振興会特別研究員(PD)
シュテンガー,ゲオルク[シュテンガー,ゲオルク][Stenger,Georg]
1957年生まれ。ヴュルツブルク大学哲学博士(Dr.phil.)。現在、ヴュルツブルク大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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