出版社内容情報
1925/26年冬学期。『有と時』の思想圏に属し哲学を刷新せんとする講義。本邦初訳。
目次
準備考察 哲学的論理学の現状。心理学主義と真理〈真性〉の問い
第1部 哲学する現場での論理学の決定的元初における真性問題、および伝統的論理学の諸々の根
第2部 ラディカルにされた問い、真性とは何か。偽性の分析を偽性の時性〈Temporalit¨at〉へ向けて反復すること
感想・レビュー
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Püppie
1
『存在と時間』の前にハイデガーが行った講義を基に編集されたもの。『存在と時間』では現存在(Dasein)のDaの統一性として言われたSorgeについて、それがカントの図式論からフッサールの志向性についての考察を念頭に組み立てられていったことが伺える。それにしても、論理そのものについてほとんど触れられてないことに驚く。ここで語られるのは論理を可能にしている現存在の構造、つまり開示性(Erschloßenheit)=真理(Wahrheit)である。死への存在(Sein zum Tode)はまだ関係ない。2012/03/05