人格「ペルソナ」の哲学

人格「ペルソナ」の哲学

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  • サイズ A5判/ページ数 201,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784423171462
  • NDC分類 141.93
  • Cコード C3010

内容説明

私たち自身の経験から、人格と呼ばれる実在があることを論証した上で、それが自己決定的な主体であるだけでなく、他者との交わりにおいて自己を実現し完成する存在であることを解明。人格が自然本性的に共通善を自らの目的として追求するという社会倫理的側面を明らかにし、さらには神学的考察も含めた、体系的な「人格の哲学」をめざす。物質的な事物のみを想定した従来の存在論を根元的に転回させ、現代では困難となった自己の探究、すなわち精神の形而上学という課題に正面から取り組む。現代の閉塞的な思想状況に一石を投ずる画期的業績。

目次

序論 人格について語ることの難しさ
第1章 個人から人格へ―人格の哲学をめざして
第2章 「世俗化」と「人格」概念
第3章 行為と人格
第4章 存在としての人格
第5章 人格の形成
第6章 人格の神学的考察

著者等紹介

稲垣良典[イナガキリョウスケ]
1928年佐賀生まれ。1951年東京大学文学部哲学科卒業、九州大学文学部教授を経て、長崎純心大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鵜殿篤

1
【要約】「人格」という概念を理解するためには、キリスト教神学が培ってきた伝統をしっかりと踏まえる必要があります。「人格」を単に「個人」と言いかえることができる形で捉えるのでは、薄っぺらい理解しかできません。「人格」の本質とは、量的な「一」ではなく、同一のものが自己に立ち帰るような仕方で存在する自己還帰的な「一」であることです。それがモノとは異なる「精神」の在り方であり、この在り方こそが本来の「存在」というものです。2018/04/04

マウンテンゴリラ

1
ペルソナという言葉は、一般に「人格」という訳語で認識されているが、我々日本人の感覚としても、そこには、道徳心というものが付随しており、決して単なる個体としての個人ではないというふうに受け取られているように思う。その意味から、本書での著者の主張には共感できる点が多かった。しかし、単に自由な個人が分有するばらばらの価値観がペルソナではなく、個人を超越した共通善とも呼ぶべき価値観に基づいたものがペルソナであるとして、それがキリスト教でいう神への愛であるとするところに多少違和感を感じた。→(2)2014/06/30

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