内容説明
本書は近代の自然観をその出発点において明らかにするため、ヨーロッパ中世の哲学における自然概念を、形而上学、倫理学、自然哲学の視点から根本的に考察する。
目次
アリストテレスにおける自然の目的論的構造
中世の倫理学における『自然』―Lex naturae
シャルトルのティエリにおける一性の算術と形而上学―一二世紀における自然哲学と神学について
中世形而上学における自然の概念について
自然法―倫理学的問題のトマス的解決の永続的意義
トマス・アクィナスにおける自然理解の一側面―原罪論をめぐって
学の対象としての自然―自然科学に対する中世の寄与
スコトゥスの『第一原理論』における目的の因果性と説明