内容説明
人間にとって存在と秩序はいかなる意味を持つのか、ひいては人間は存在と秩序についていかに思考してきたのか。このような問いが土台にある本書は、古代ギリシアとヘブライの思想が交叉し発展したヨーロッパ精神史の原点を再考する。わが国において、西洋政治思想史のみならず西洋古代哲学や旧約学においても十分に論じられてこなかった、古代ギリシアとイスラエルの思惟が各々のあり方で、しかし共に問い接近しようとした地平の根幹に挑んだ、渾身の著作。
目次
第1章 生き続けること―民主主義の原義と本質
第2章 プラトンにおける人間の生と共同性―後期対話篇を素材に
第3章 プロティノスについての存在論的考察(一)―『エネアデス』4三‐四(二七‐二八)‐(『魂の諸問題について』)におけるコスモスとテクネー
第4章 プロティノスについての存在論的考察(二)―『エネアデス』4三‐四(二七‐二八)‐(『魂の諸問題について』)における人間と世界
第5章 情念とその浄化―『創世記』を巡る一考察
第6章 情念と秩序―『ヨブ記』
第7章 言葉の行方―『オデュッセイア』第四巻を中心にして
著者等紹介
藤田潤一郎[フジタジュンイチロウ]
1969年、京都市生まれ。1999年、京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。同年、京都大学助手。2000年より関東学院大学法学部に勤務し、現在同学部教授。2005年、京都大学博士(法学)。専攻、思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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