内容説明
20世紀最大の物理学者アインシュタインは、自らを「形而上学者アインシュタイン」と呼び、「物理学は一種の形而上学である」と書いている。本書は、「物理学=自然学(Physik)と形而上学(Meta‐Physik)」という斬新な研究視点からアインシュタインの物理思想を解明し、アインシュタインを西洋形而上学の歴史のうちに位置づけた初めての試みである。アインシュタイン全集を踏まえて、「原理の探究」、「質点と場という実在をめぐる戦い」、「人間精神の自由な創造」という独自な視点からアインシュタインの全体像を鮮明に描き、特殊相対性理論への道を説得力のある仕方で解明する画期的な研究である。
目次
序章 物理学と形而上学
第1章 特殊相対性理論への道(運動と変換;ローレンツ理論との格闘 ほか)
第2章 原理理論(時間;相対性原理と光速度一定の原理 ほか)
第3章 実在をめぐる戦い(光量子;特殊相対性理論から一般相対性理論へ ほか)
第4章 理性と実在(数学的に考えうる最も単純なものの実在化;経験と理性 ほか)
第5章 形而上学(自然のうちで自己を顕現する理性;物理学は一種の形而上学である ほか)
著者等紹介
細川亮一[ホソカワリョウイチ]
1947年東京都に生まれる。1970年東京大学文学部卒業。1975年東京大学博士課程修了。1984‐1986年フンボルト奨学生としてドイツ留学。1995‐96年アメリカ合衆国留学。文学博士。現在、九州大学大学院人文科学研究院教授
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感想・レビュー
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