出版社内容情報
舞台俳優としても鳴らした異色の文学部教授が、サリンジャーを1000倍楽しむ方法をちょっぴり伝授。「ウソつきホールデン」「二つのバーガー」そして「ライ麦畑のキャッチャー」……『キャッチャー・イン・ザ・ライ』にしかけられた無数のナゾが、意表をついたキーワードをてがかりにつぎつぎと解き明かされる!ひとつの本をなんども読みかえす喜びを伝えたい……そんな情熱から生まれた「スロー読書」のことはじめ。
【解説】
おおくの読者は、「ホールデンはわたしだ」のようなふかいシンパシーを感じながら、この作品を読んできた。これからも、おそらく、そういうふうに読まれるだろう。それが青春小説の典型的な読まれ方だからだ。しかし、ホールデンとすっと一体化できない人もいるはずである。そんな人にも、実は、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』はおもしろい。たとえば、女子中高生にも、模範的な優等生にも、思春期は遠い過去の記憶でしかないと思っている人にも、腹のまわりに肉がついて動きがにぶくなった人にも、おもしろいのだ。
この作品を楽しむには、ホールデンになりきって読むことはかならずしも必要ない。むしろそれはソンな読み方なのである。(中略)小説をゆっくりとていねいに読むのはおもしろいのである。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読みながら、立ち止まって、横道にそれたり、いろいろ空想したり、もとに戻って読み返したり、ほかの小説を思いだしたり、たまには調ペたりしながら、この小説を心ゆくまで楽しむのだ。(「はじめに」より)
【著者略歴】
野間正二(のま・しょうじ)
1949年京都生れ。大阪市立大学大学院退学・兵庫県立ピッコロ演劇学校修了。現在、京都府立大学文学部教授・文学博士(京都大学)。
内容説明
冬のアヒル?二つのバーガー?『キャッチャー・イン・ザ・ライ』には謎がいっぱい。ゆっくり読めば、もっともっと読書が楽しくなる!あの名著が500倍楽しくなる。ホールデンの気持ちがグッと迫る。これぞ野間センセイ流読書術。
目次
第1章 探求
第2章 無垢
第3章 魅力
第4章 希求
第5章 映画
第6章 影
第7章 愛
第8章 幸福
著者等紹介
野間正二[ノマショウジ]
1949年京都生れ。大阪市立大学大学院退学・兵庫県立ピッコロ演劇学校修了。現在、京都府立大学文学部教授・文学博士
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