出版社内容情報
戦後間もない1952年に誕生した日本初・アジア初の国際美術展である「日本国際美術展」、通称「東京ビエンナーレ」。本書はこの「日本国際美術展」を包括的に研究、「現代日本美術展」、「読売アンデパンダン展」などの大型美術展との比較研究も行い、戦後から高度経済成長期に至るまでの大型美術展の組織・選抜・作品・批評の価値基準を明らかにする。また、それらの検証を通じ、作家・作品論を超えた「展示」「ジャンル」「選抜」などのカテゴリーや日本における「美術(芸術)」の制度性を捉え直し、戦後日本の美術史形成過程を読み解く。
「『日本国際美術展(東京ビエンナーレ)」年表」、「『日本国際美術展(東京ビエンナーレ)』に関する言説の掲載状況」、「『日本国際美術展』日本人作家の推移表」、「『現代日本美術展』年表」、「『読売アンデパンダン展』変遷の要点」という豊富な資料を巻末に収録。
内容説明
豊富な資料をもとに作家・作品論を超えた日本の芸術環境そのものの位相を捉える。展覧会史からのアプローチ。
目次
第1章 「日本国際美術展(通称、東京ビエンナーレ)」とは
第2章 先行研究の動向―「日本国際美術展」と戦後美術史
第3章 「日本国際美術展(東京ビエンナーレ)」再考
第4章 「美術(芸術)」の制度性と「日本」
第5章 芸術環境の変化―野外美術展の展開とその文脈
第6章 戦後日本における大型美術展の位相―「日本国際美術展」から新興の大型美術展へ
資料
著者等紹介
山下晃平[ヤマシタコウヘイ]
1977年東京生まれ。2002年京都府立大学文学部卒業後、広告・印刷業界での勤務を経て、2016年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程を修了。京都市立芸術大学月額非常勤講師ほか。博士(美術)。専門は日本の近現代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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