出版社内容情報
わたしたちは世界を、宇宙を、物質を、
どのように理解してきたか?
人類が行った数多くの発見のなかで、
最も深い意味を持つ
「世界は何からできているか」という
元素をめぐる探求の歴史を、
美しいビジュアルとともに
あますところなく描く!
*
本書の著者、フィリップ・ボールは
「元素は、私たちがいかにして
周囲の環境を理解しようとし、
またそれを操作しようとしてきたかをめぐる
長大な叙事詩の登場人物である」と言う。
実際、人類が行った数多くの発見のなかで、
最も深い意味を持ち、
最も役に立ったもののひとつは、
「世界は何からできているか」という、
元素をめぐる探求だろう。
この意義深い探求により、
実証的ではなかった哲学や錬金術は、
近代科学へと発展してゆくのである。
本書では元素が発見された
年代ごとにグループ分けをし、
先史やギリシャ・ローマの時代から、
原子爆弾や加速器による探求の時代まで、
7000年の元素発見の歴史を描き出す。
古今東西世界中の画像や
発見の物語を取り上げ、
自分たちの発見や、
見出された科学的な原理を
受け入れさせようと奮闘した
人々にも光を当てる。
元素発見の歴史を語ることは、
単に学問としての
化学の発展の解説にとどまらない。
元素発見史は、私たちが自然界をどのように
理解するに至ったかを教えてくれるのだ。
その知識がいかに技術や芸術の進化と
手に手を取って進んできたかも示してくれる。
金・銀・銅といった
古代から知られた元素にはじまり、
日本の理化学研究所が発見した
ニホニウムのような
最新のものまで網羅している一方、
真の元素ではないが、長い間、元素である
と考えられてきた「物質」も取り上げている。
エーテルから、フロギストンや
カロリックのような最近まで信じられていた
「偽の元素」の興味深いエピソ-ドまで、
ロンドン王立協会科学図書賞受賞者
であるフィリップ・ボールが、
元素発見の全歴史を大胆に伝えてくれる。