出版社内容情報
大石正巳は高知藩士・大石良則の次男として生まれ、板垣退助の立志社に参加し自由民権運動に身を投じた。自由党幹事となるも板垣洋行に反対して離党、後藤象二郎の大同団結運動に参加し、朝鮮駐在弁理公使。のち進歩党結成、憲政党結成に関与、憲政党分裂後は憲政本党・立憲国民党に参加、犬養との確執から桂太郎の新党である立憲同志会に参画。衆議院議員当選6回。第一次大隈内閣で農商務大臣となり、所属した各政党で常に幹部だった実力派の政党政治家は、なぜ忘れられてしまったか。『自由新聞』社主、『政論』主筆というメディア政治家としての資源がありながら、政治家として成功できなかったのはなぜか。その謎多き全人生を描く初めての評伝。
【目次】
序章 忘れられた政治家
1 地元・高知での存在感の薄さ
2 定まらないイメージ
3 研究と史料状況
4 新しい大石像の構築を目指して
第一章 自由民権運動での活躍
1 生い立ち
2 自由民権運動への参加
第二章 彷徨の時代
1 自由党との決別と欧米漫遊
2 逮捕から洋行へ
第三章 大同団結運動と『政論』での活動
1 帰国と政治活動の再開
2 大同団結運動の挫折と再度の外遊
第四章 外交官から衆議院議員当選へ
1 駐朝鮮公使就任
2 日英同盟論の提唱と展開
3 政権への参加
4 初入閣と初当選
終章 叩き上げ政治家の栄光と限界
1 メディア政治家としての特徴
2 憲政本党結成後の大石
3 奮闘のあとに残ったもの
あとがき
引用文献
大石正巳 略年譜



