出版社内容情報
20世紀末までのアメリカを中心とする国際関係論の主流は、「リアリズム」と「リベラリズム」であった。前者は主権国家の対立的な関係から勢力均衡による国際秩序の達成・維持を説明し、後者は国際法や国際制度、国際貿易がもたらす協調的な関係から国際秩序を説明する。
いずれも国際秩序を客観的に捉えることを目指すが、国際関係では客観的な視点だけでは説明しきれない事象が起きる。これに対して、アクターの主観とアクター間で共有される認識に着目して国際関係を捉えようとするのが「コンストラクティヴィズム」である。
本書ではコンストラクティヴィズムの立場から、中世から現代に至る国際秩序の形成過程、すなわち「政治的権威のグローバルな編成」を説明する。また、従来の国際関係論では必ずしも十分に論じられたとはいえない、中国、インド、東南アジア諸国、太平洋諸国といった非西洋諸国をも考察の対象とし、真にグローバルな観点から国際秩序の変容を論じる。新時代にふさわしい、国際関係論の入門書。
内容説明
現在の国際秩序はどのような歴史を経て成立したのか―本書では、アクターの主観とアクター間で共有される認識に着目し、国際秩序の形成過程をコンストラクティヴィズムの立場から説明。さらにグローバル・サウス諸国を考察の対象として本格的に組み入れ、真にグローバルな観点から国際秩序の変容を論じる。新時代にふさわしい、国際関係論の入門書。
目次
第1章 国際関係とは?
第2章 政治的権威のグローバルな編成
第3章 理論は友達
第4章 戦争
第5章 経済
第6章 権利
第7章 文化
第8章 政治学の不可欠な分野としての国際関係論
著者等紹介
ルース=スミット,クリスチャン[ルーススミット,クリスチャン] [Reus‐Smit,Christian]
クイーンズランド大学人文社会学部国際関係論学科教授。ラトローブ大学卒業後、メルボルン大学で修士号、コーネル大学で博士号取得。モナシュ大学上級講師、オーストラリア国立大学教授、同大学アジア太平洋研究所副所長を経て、2013年から現職
山本文史[ヤマモトフミヒト]
翻訳家、近現代史家。1971年フランス、パリ生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業、同大学院外国語学研究科英語学専攻博士前期課程修了、シンガポール国立大学人文社会学部歴史学科大学院博士課程修了(Ph.D.)
石津朋之[イシズトモユキ]
防衛省防衛研究所戦史研究センター主任研究官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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