モダン道頓堀探検―大正、昭和初期の大大阪を歩く

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  • サイズ A5判/ページ数 322p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422250403
  • NDC分類 216.3
  • Cコード C0021

出版社内容情報

【内容紹介】
編者が古書展で発見した雑誌『道頓堀』(大正8~9年頃)に掲げられた道頓堀の街並みを写したイラストは実に克明で、圧倒的な情報量を持っている。そこで5人の学芸員(美術史、考古学、近代史、芸能史)が調査団を結成、この絵の中にとびこみ、当時の劇場、飲食店、カフェーから橋、交番、公衆便所、道の動物に至るまで、蘊蓄を傾けて考証、解説した読み物が120篇。珍しい図版も満載で、モダン都市大阪・道頓堀の意外で不可思議な姿を生き生きと再現。
 
 
【詳細目次】
第一章 戎橋筋から浮世小路まで
1 柴藤 名物〈きりまむし〉
2 人力車と橘屋 観劇の余韻にひたる
3 車寄せ場 ”大阪ぼんち”の芸術的貢献
4 橘屋 名物〈へそ饅頭〉
5 道頓堀五座 そこは芝居の街だった
6 戎橋筋 凍りつくような光の流れ
7 クラブ白粉 目立ってなんぼ
8 仁丹 ひげの紳士は鉄血宰相
9 入江呉服店 日本画家たちの熱い議論
10 明陽軒 洋食普及に功績  ほか

第二章 法善寺横丁から堺筋まで
38 水掛不動と夫婦善哉 織田作の面影を訪ねて
39 法善寺横丁 ふたつの落語席
40 桂春団治 なんと、煎餅のレコード
41 甘栗 高村光太郎も感激した
42 カブトピール 景気良くノドで飲む
43 カフェ「アイオイ」 最初のメニューはさつま汁
44 大正中期の音風景 市井の雑音の魅力
45 日の字、田の字の螺旋状 道ブラの愉しみ
46 京與 名物「沖すき」の命運
47 八百嘉と小林タバコ 終夜営業とタバコの世界一周  ほか

第三章 堺筋から太左衛門橋交番まで
74 パノンはいずこ 岡田八千代迷うの記
75 公衆電話 進化する電話ボックス
76 更科 ザルとモリの違いとは?
77 寿司屋東西 箱寿司と握り寿司(末広店)
78 竹横浜側 便所の変遷
79 大鐙閣 堅い本屋の柔らかい挿絵画家
80 大阪庶民の洋画家 田中の粂やん哀悼記
81 西田帽子店 楢重の帽子論
82 裏読み大阪論 オオサカのトウキョウ人、活躍する
83 相合橋 戦前も汚かった大阪の川水  ほか

第四章 太左衛門橋から再び戎橋まで
92 太左衛門橋と角の芝居 大阪歌舞伎の発祥
93 牡蛎船 屋形船でお客をもてなす
94 道頓堀にゴッホを見る 鍋井克之の近代都市風景画論
95 近安の井戸 道頓堀の生一本 
96 芝居茶屋 近安と西山派 ロンドンの大阪画壇
97 半助 味のしゅんだ鰻の頭
98 鰻屋と芝居茶屋の間 戎橋架け替えに怒る柳屋
99 キャバレー・ヅ・パノン ビアズレーの掛かるカフェ
100 パノンのクリスマス 鶴丸画伯パノンを続けて語る  ほか

内容説明

古書市で発掘された大正時代の雑誌『道頓堀』掲載の精細な街並みイラストに沿って、その店舗、カフェー、五座の劇場、橋、交番や道頓堀にゆかりの深い画家、文士、音楽家、芸人などなど…を学術探検隊が蘊蓄を傾けて解説する百二十の無駄話。知られざる新しい大阪の魅力を再発見。

目次

第1章 戎橋筋から浮世小路まで(柴藤―名物「きりまむし」;人力車と橘屋―観劇の余韻にひたる ほか)
第2章 法善寺横丁から堺筋まで(水掛不動と夫婦善哉―織田作の面影を訪ねて;法善寺横丁―ふたつの落語席 ほか)
第3章 堺筋から太左衛門橋交番まで(パノンはいずこ―岡田八千代迷うの記;公衆電話―進化する電話ボックス ほか)
第4章 太左衛門橋から再び戎橋まで(太左衛門橋と角の芝居―大阪歌舞伎の発祥;牡蠣船―屋形船でお客をもてなす ほか)

著者等紹介

橋爪節也[ハシズメセツヤ]
昭和33(1958)年、大阪市に生まれ、道頓堀や心斎橋に近い同市中央区島之内(旧南区竹屋町)に育つ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。同大学大学院修了後、同大学美術学部附属古美術研究施設助手を経て、大阪市立近代美術館(仮称)建設準備室・主任学芸員。専攻は美術史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chang_ume

9
近代大阪を語る際、「大大阪」の語が出れば出るほど、価値を下げる。昭和初期に描かれた「街並みイラスト」をもとに、店舗・人物・食品などの多様な視点から語られる内容ですが、まず地図がない。近代都市の地理誌たるべき本書には、とうとう最後まで地図が登場しなかった。認知地図を共有する者同士の褒め合い(傷の舐め合い)なのだろうか。あけすけな(過去の)お国自慢は、編者の他書にも共通する姿勢ですが、やはり他者がいない。そういうコミュニティの同人誌として読むべきか。あまり気持ちのよいものではないですね。2020/09/29

takao

2
ふむ2025/01/26

おたきたお

0
昭和初期のパノラマ写真ならぬ「パノラマ案内図」に沿って道頓堀を案内する著作。現在の位置と比較できるのも楽しい。「大正、昭和初期の大大阪を歩く」とサブタイトルにあるように、大阪の華やかかな時期は大正から昭和の始めまでだったそうだ。これは田辺聖子も著作で記している(『田辺写真館が見た"昭和"』)。既に昭和初期には映画館の勃興と共に芝居茶屋の淘汰が始まっていた訳であるが、その芝居茶屋の最後の一軒「三亀」が中座と共に21世紀のはじめまで稼業していたというのは奇跡であり、かつ残念である。2006/01/01

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