出版社内容情報
音とは空気の振動である。
空気の分子は隣の分子に振動を次々に伝え、
やがて鼓膜を震わせる。
耳では振動を電気信号に変換し、
この信号が脳に送られて音として知覚される。
すぐれて物理学的な現象である
「音」が感知される原理と
それにまつわる物理学的な話題を説明し、
イルカのエコローケション、周波数、
共鳴、建築における音響、音楽理論など
幅広いエピソードを織り交ぜる。
やがて、著者の専門の録音技術の話を深め、
美しい音、音のさまざまな効果を論じてゆく。
音の秘密に迫る1冊。
目次
音とは何か
シンプルな音
波形
音速
耳
音の大きさとデシベル
調律
周波数とピッチ
弦の定常波
管の定常波
ヘルムホルツと共鳴
合成波
整数次倍音と非整数次倍音
音声
反響定位
残響
ルームモード
音響処理
ラウドスピーカー
PAシステム
音はどこから来る?
マイクロフォン
録音
イコライザーとフィルター
コンプレッサー
ディレイとリバーブ
エフェクターとエンハンサー
ミキシングとマスタリング
付録
著者等紹介
マーシャル,スティーヴ[マーシャル,スティーヴ] [Marshall,Steve]
マルチに活躍するミャージシャン、作家。BBCラジオフォニック・ワークショップ(BBCの音響効果ユニット)で働きながら、数多くのテレビ・映画の音楽を作曲・録音してきた。考古学にも造詣が深い
山崎正浩[ヤマザキマサヒロ]
英文訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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momonori
2
著者のスティーヴ・マーシャル氏は、イギリスのBBCラジオで音響効果を担当したり、数多くのテレビや映画の音楽を作曲・録音してきた、マルチに活躍するミュージシャンとのことです。本書を読むと、わたしたちが聴覚によってどんな情報を得ていたのかがよくわかります。普段は視覚中心の生きかたをしているので、まるで気づいていませんが、聴覚によっても周囲や環境の情報を得ています。また、諸宗教の特徴として音(言葉・声)の重視を挙げています。「竪琴を発明したヘルメスがロゴスの象徴として扱われた」(一頁)という指摘は興味深いです。2024/10/21