出版社内容情報
自然界に潜む「美」の法則
シンメトリー(対称性)は、
この世界のあらゆる分野に存在するもっとも一般的な自然法則だ。
動物の体の構造も植物の生長など自然の多くの現象は、
シンメトリーと密接につながっているし、そのため、自然を模倣する芸術や、
建築の分野にも、シンメトリーは多数あらわれる。
古代から人々はシンメトリーに限りない美を見出してきた。
本書では、美しい図版を多数使いながら、黄金比、フラクタル、カオスなどの数学、
物理の先端的な話題に触れてゆく。
◎「はじめに」より
シンメトリー(対称性)は幅広く注目されている。数学者も芸術家も関心を寄せ、物理にも建築にも関係がある。他の多くの分野もシンメトリーには一家言あり、「シンメトリーとは何か」や「シンメトリーはどうあるべきか」について独自の見解を持っている。どのようなアプローチを取るにせよ、われわれがここで扱うのは普通的な原理である。しかし、日常生活で明々白々なシンメトリーを見かける機会はどちらかといえば少なく、はっきり対称と断定しにくいものが大部分である。では、シンメトリーとは何か? シンメトりーをあらわす総括的な説明はあるのだろうか? そもそも、明確に定義できるのだろうか?
ちょっと調べれば、この分野全体が矛盾に取り巻かれていることがわかる。まず、シンメトリー(対称)という概念はアシンメトリー(非対称)と分かちがたくもつれあっている。後者を考えることなしに前者を捉えるととはできない(これに関連する秩序と無秩序という概念にも同じζとが言えるし、他にも二元性を持つものはいろいろある)。シンメトリー/対称性はつねにカテゴリー化や分類や規則性の観察と関係している――早い話が、限定と関係している。だが対称性自体は無限で、その原則が適用しない場所はない。また、対称性原理の特徴は静けさ、騒がしい世界を超越した静止であるのに、一方では、何らかの形でほぼ常に変化や乱れや動きにもかかわっている。
このテーマを研究すればするほど、これが最も広範囲砿研究分野のひとつであることと、しかし結局のところ量も不可思議な分野のひとつでもあることを思い知らされるのである。
◎目次
はじめに
配列
回転と鏡映
幾何学的自己相似
放射対称
断面と骨格
球対称
三次元のシンメトリー
積み重ねと詰め込み
結晶の世界
基本要素
背腹性
鏡像体
曲率と流れ
渦巻と螺旋
驚異のフィボナッチ数
枝分かれシステム
魅惑のフラクタル
ペンローズ・タイルと準結晶
非対称(アシンメトリー)
自己組織化シンメトリー
カオスの中のシンメトリー
物理学における対称性
美術におけるシンメトリー
パターンへの情熱
シンメトリア
形式主義
実験的なシンメトリー
群
目次
配列
回転と鏡映
幾何学的自己相似
放射対称
断面と骨格
球対称
三次元のシンメトリー
積み重ねと詰め込み
結晶の世界
基本要素〔ほか〕
著者等紹介
ウェード,デーヴィッド[ウェード,デーヴィッド][Wade,David]
デザイナー。ウエールズ在住。シンメトリーの考察を長年続ける
駒田曜[コマダヨウ]
英文訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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