出版社内容情報
【解説】
キリスト教に世界宗教としての新たな活力を与え,ヨーロッパ社会に近代への扉を開かせた 宗教改革 。16世紀に起きた宗教改革運動の全貌を豊富な図版を駆使して解き明かす。
内容説明
本書は、宗教改革時代における、「プロテスタント」と「カトリック」の主張と激越な争い、また血で血を洗う残酷な宗教戦争の実態を、豊富なカラー図版と資料で紹介しています。
目次
第1章 内からの刷新か、外からの改革か
第2章 ルター―宗教改革の始まり
第3章 カルヴァン―宗教改革の拡大
第4章 カトリックの反撃
第5章 騒乱の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
17
「純粋な宗教上の期待のみならず、民族主義、反教権主義、ローマ教皇庁への憎悪、教会財産の羨望などがまじり合って、ドイツ社会の大半がルターの教えを熱狂的に受け入れていった。そしてそれぞれが彼の教えを、自分に都合よく解釈したのである」(52頁)この一文を読んで、ある連想を抱かずにはおれなかった。*ロヒール・ファン・デル・ウァイデンの祭壇画「最後の審判」(1445年頃)神に見放された男を観察した。ホラー映画と恐怖の表現が異なる。右手で耳をぎゅっと握り、左手は大口開けて咥え込む。見開いた目は古今(東)西変わりなし。2019/01/25
OKKO (o▽n)v 終活中
2
基礎知識叩き直しのため、とにかくザーッと読了。誰かシュマルカルデン戦争の際の教皇軍のアルプス越えについて教えてくれぇぇぇぇ。・゜・(ノД`)・゜・。2013/05/18
くり坊
1
「当時の聖職者を見る目は厳しく、太って無知な聖職者たちの、酒を飲み、歌を踊り、賭博や喧嘩をし、女を囲う、破廉恥で自堕落な生活ぶりは、辛辣な批判を受けた。無知で大食漢で好色な修道士の姿も、繰り返し冗談の種にされている。」(26頁「教会の身体で健康な部分は何一つない」より)そこに「新しい信仰」運動が起こり『キリストに倣いて』が以上な成功(1500年以前に少なくとも60刷を数える)をおさめ、その影響はエラスムス、ルター、イグナティウス・ロヨラなどに及ぶという、宗教改革前史が図版などと合わせて理解できました。2021/06/17
Yuzupon
1
資料用として。このシリーズ好きです。ほぼフルカラーで全ページに所狭しと図版。見てるだけで楽しい♪というか、宗教改革の場合その温度差が楽しい。 プロテスタント諸宗派方面のページは、ことごとく図版の芸術品もとても素朴で地味、なんというか茶色一色。それに対して、カトリック陣営の内部改革期ページの図版はド派手!ゴテッゴテ装飾過多なバロック芸術全開。……これらの違いがいかにも両社の信仰に対する姿勢を物語ってる。2012/07/31
takashi1982
0
図版がかなり多いために、入門にはうってつけ。キリスト教内部での話と共に、当時の政治的・社会的観点から、どう見るかも知りたくなる。2014/04/13