出版社内容情報
【解説】
紋章は歴史上の人物の血縁関係,美術品の年代決定や所持した人物の教養,信念,感受性までを伝える歴史の鍵である。紋章を考察し,紋章学の広がりを伝える最高の入門書。
内容説明
本書は、要点をおさえた簡潔な記述によって、12世紀前半に物理的、社会的な理由から発生、普及して以来の紋章の歴史と構成規則(色の組み合わせ、解読の順序など)、さらに紋章研究の新しい動きを教えてくれています。
目次
第1章 紋章の歴史
第2章 紋章の図柄と色彩
第3章 紋章学、この知られざる学問
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
20
スタンダールは1830年某月某日「グローブ」の編集長に手紙を出している。ちょっと抜粋してみよう。「私はフランスに紋章として数字の29を提案したい。これは、たしかに変わっているが。7月29日のあの偉大な日は、冗談を押し返すだけの古代風英雄性の外見をすでに備えている。」補足。偉大な日とは7月革命のこと。県道29号線の標識というイメージが鮮やかに脳裏をよぎっていった。ところで19世紀パリに道路標識は存在したのだろうか。「冗談」がキーワードだな。紋章のルール違反の謂い、或いは道路標識のパロディが念頭にあったのか?2019/09/19
aisu
15
メジチ家の〜とかもっと詳しくあるのかと思ったらあまりなくて、本当に紋章全般の紋章学入門的な本でした。中世のイラストってなんか可愛い?ので、眺めて楽しいですが。巻末の語句一覧も良かった。あの模様を口で言いたい時はそう表現するのかと。2015/07/14
mahiro
7
古いヨーロッパの絵画によく描かれている紋章、貴族の象徴と思っていたが広い階級や分野に用いられていたと分かった。貴族の紋章は直系や傍流で様々に分岐して、その紋章を見ればその家系の歴史がわかり、発見された遺物がそれに装飾された幾つかの紋章を読み解く事で時代や持ち主を特定出来ると言うのが面白かった、日本の家紋の美についても言及されていた。ヨーロッパの街角で古い建物に印されいる紋章の意味が分かったら楽しいだろうな。2015/06/21
micamidica
5
紋章について知りたくなって。全体的に雑な感じだけど(わたしのこの説明がきわめて雑でごめんなさい)初学者にもよくわかる内容だった。地域ごとに傾向がわかれていたりするのも、もっと勉強すると面白いのだろうなぁ。ヴェネツィア共和国の支配地域はライオンを使った紋章が多いのかしらと安易なことを考えたけどそうでもなかった。日本の家紋について知ることもきっと楽しいのだろうな。2018/05/28
ラグエル
4
不思議の国のアリスに出てくるウサギさんって、紋章官の服、タバードですよねえ。2011/04/14