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出版社内容情報
学者ですら躊躇なく使う中江兆民の代名詞「東洋のルソー」。その由来ともなった『社会契約論』の翻訳『民約訳解』は、なぜ漢文で書かれていたのか。また、その翻訳に込められた兆民の意図とは何だったのか。『民約訳解』を単なる翻訳書ではなく、兆民の思想書として詳細に再検討することで、兆民がルソーを介して、在来思想としての儒教に回帰し、それを刷新しようとした「儒学者」であったことを鮮明にする、画期的な思想史研究。
内容説明
ルソーの『社会契約論』は、なぜ漢文で訳されたのか?『民約訳解』の再検討から立ち現れる、若き思想家の儒教への回帰とその刷新への強い意志。中江兆民像がガラリと変わる、東洋政治思想史研究。
目次
序章 「東洋のルソー」はルソーなのか?
第1章 「義」と「利」
第2章 「君」と「臣」
第3章 「国会」と「討議」
第4章 「漢文」と「政治」
第5章 「立法者」と「制作者」
終章 「儒学者」から「理学者」へ
補論 中国の『社会契約論』
著者等紹介
田中豊[タナカユタカ]
1993年大阪市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業。関西学院大学法学研究科博士課程後期課程修了。博士(法学)。専門は、日本政治思想史。現在、大阪経済大学非常勤講師、関西学院大学法学研究科研究員、ひょうご震災記念21世紀研究機構研究調査部研究員。主要論文に、「儒学者兆民序説―『民約訳解』における「義与利果不可得合邪」を中心に」(第1回江村栄一記念自由民権学術奨励賞受賞)(『法と政治』70巻4号、2020年)、「横井小楠と中江兆民における「西洋」認識―民本思想から民主思想へ」(白山ふるさと文学賞第40回暁烏敏賞第1部門“哲学・思想に関する論文”受賞)(『第40回暁烏敏賞入選論文』2024年)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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