出版社内容情報
本土よりもずっと早く、<観光>を主要産業化せざるをえなかった戦後沖縄。観光研究としては、従来分かりやすい沖縄イメージを用いた表象研究が多いなか、新たに風俗産業資料などを数多く発掘し光を当て、1972年沖縄返還と75年沖縄海洋博前後からの風俗観光産業に従事する経営者や特に女性従事者の「本音」を資料に語らせつつ、本土やアメリカへの迎合と従属的地位への反発や抵抗をリアルに読み解く、戦後沖縄研究の新境地。図版多数。
内容説明
風俗観光資料から描く、1975年沖縄海洋博前後を転換点とする「本音」の現代史。
目次
序章 本土・アメリカへの屈折と「性」をめぐる闘争
1章 戦後の混乱と観光言説の出発―終戦~一九五〇年代におけるアメリカの豊かさ
2章 復帰をめぐる議論と観光言説の関係性―一九六〇年代~本土復帰前後における「平和産業」への意識
3章 海洋博批判とセクシュアリティ観光の接合―一九七〇年代における本土―沖縄のヒエラルヒーの再生産
4章 「基地」の観光地化と「レトロアメリカン・イメージ」の発見―バブル期以降の転換
終章 「沖縄観光」言説からみる戦後―日本・アメリカ・沖縄はいかなる関係を切り結んできたか
著者等紹介
小川実紗[オガワミサ]
1993年大阪府生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。立命館大学授業担当講師、流通科学大学非常勤講師。専門は歴史社会学、観光社会学、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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