出版社内容情報
幕末の暮らしを女性自身が書き残した日記から読み解く、歴史学入門書。ご近所との付き合い、飼い猫の一生、妊娠と出産、伝染病への対処、年中行事など、史料は高校までに学ぶ幕末の事件史とは全然違った細やかで豊かな世界を我々に見せてくれるだろう。用いるのは、滝沢馬琴の息子に嫁いだ路(みち)の日記、和歌山城下の質屋に嫁いだ峯(みね)の日記、和歌山藩藩校の助教の娘小梅の日記、河内国古市の商家の娘サクの日記である。
内容説明
女性の日記から、昔の暮らしの詳細が分かる。男性主体の「激動の幕末」とは異なる、身近な庶民の生活史。
目次
はじめに―近世女性の日記から
第一章 一年―季節と年中行事(正月と節分;ひな祭り;端午の節句;盆行事;誕生日;季節の移ろい)
第二章 日々の暮らしとなりわい(食と宴;猫の生涯;江戸時代の金魚飼育;あきない;贈答と貸し借り;ご近所さん;縫い物)
第三章 事件と災害(大塩平八郎の乱;黒船の来航;火事は怖い;安政大地震;ええじゃないか)
第四章 家族と女性の一生(家族の病と死;婿養子と婚礼;妊娠と出産;疱瘡)
おわりに―路、最期の日
著者等紹介
村上紀夫[ムラカミノリオ]
1970年愛媛県今治市生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程中退、博士(文学・奈良大学)。現在、奈良大学文学部史学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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