出版社内容情報
石器や墳墓、土器や埴輪などの発掘品から、旧石器時代から連綿とつづく大阪の歴史物語を、発掘に携わる現役学芸員がつづる。
内容説明
最大の発見である難波宮をはじめ、石器や墳墓、土器や埴輪、木簡や陶磁器、城郭・道路などの建造物や遺構といった多彩な考古学的発見を、現役学芸員・発掘調査員が二頁読み切り式でやさしく解説。遺跡地図、カラー年表や出土品・遺構の写真など多数の図版と、発掘裏話をつづった書き下ろしコラムも収録。
目次
第1章 大阪のあけぼの
第2章 拓けゆく大地
第3章 統一への鼓動
第4章 難波宮発掘の歴史
第5章 古代都市難波をさぐる
第6章 律令世界の大阪
第7章 中世都市と荘園
第8章 商工業都市大坂のすがた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまきん
2
前に読んだ本は地域別に遺跡をまとめていたが、本書は古代、中世、近代の時代別にまとめたコラムっぽい感じの記事を集めている。大阪に於いては大規模面積にての発掘というのはごく稀で、殆んどが一個の建物などの建て替えや道路工事に伴う発掘でほぼ「点」の単位でしか調査が出来ない。しかし、その点を繋ぎ合わせると新たな歴史上の事実が浮かび上がってくるのである。2016/04/06
Wataru Hoshii
1
東京出身者が大阪に住んでいると、「土地の力」の強さを感じることが多い。文学的には「地霊」(ゲニウス・ロキ)というべきなのだろうけれど、その土地に住んだ人々の集団的記憶が土にしみついているという点で、関西の土地は濃い。掘ったらそういうものがいくらでも出てくるわけで、よく知ったあの土地もこの土地も歴史まみれである。そんな話のオンパレード。少年の頃考古学者になりたかったのを思い出した。一点。地形がどんどん変わった土地だけに、各時代の地図は欲しい。2010/05/27