山片蟠桃と大阪の洋学

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422201467
  • NDC分類 402.105
  • Cコード C1021

出版社内容情報

鎖国下において活躍した町人学者たちの情熱を活写!
<内容紹介>
鎖国下にあっても、日本の知識人たちはオランダをはじめとする「洋学」を営々として学びつづけ、それが維新以降の近代化の素地となった。大阪における天文学の麻田剛立・間重富、独創性において時代を抜きん出た山片蟠桃、望遠鏡製作の第一人者岩橋善兵衛、適塾で逸材を輩出した緒方洪庵など町人学者の活躍を、斯界の第一人者が平易に語り論じた6編(写真35枚)を収録。知的刺激に満ちた一書。

<著者紹介>
有坂隆道(ありさか・たかみち)
1921年、東京生まれ。京都大学文学部史学科(国史専攻)卒業、関西大学文学部教授を経て、関西大学名誉教授。文学博士。2004年6月逝去。
 山片蟠桃や麻田流天文学の研究を軸とした日本洋学史研究の先覚者。また科学史的観点から古代史研究に清新な学説を提唱した。大阪歴史学会の活動を定着させた創設者の一人であり、『西宮市史』など多くの市史を手がけ、戦後の新しい地方史研究の方向を開拓した研究者としても知られる。
 主な校注、編・著書に、日本思想体系43『富永仲基・山片蟠桃』(岩波書店)、『日本洋学史の研究』1~10(創元社)、『論集 日本の洋学』1~5(清文堂出版)、『山片蟠桃と升屋』(創元社)、『古代史を解く鍵』(毎日新聞社)など。共著に『高松塚論批判』(創元社)、『地方史の研究と編集』(ミネルヴァ書房)、『大坂町鑑集成』(清文堂出版)など多数。

内容説明

「独創」にこそ価値があるとすれば、山片蟠桃ら大阪の町人学者たちは時代をはるかに抜きん出ていた。鎖国下にあって営々として積み上げられた西洋文明吸収の努力と日本人の高い知性が、維新以後の急激な西洋化を可能にした。

目次

1 オランダと日本
2 大阪の洋学
3 大阪の町人学者・山片蟠桃
4 岩橋善兵衛と望遠鏡―江戸時代の望遠鏡製作をめぐって
5 緒方洪庵と幕末の大阪洋学
補論 山片重芳の蘭癖収集品

著者等紹介

有坂隆道[アリサカタカミチ]
1921年、東京生まれ。京都大学文学部史学科(国史専攻)卒業、関西大学文学部教授を経て、関西大学名誉教授。文学博士。2004年6月逝去。山片蟠桃や麻田流天文学の研究を軸とした日本洋学史研究の先覚で、洋学史の基礎的分野の充実に尽力した。一方では科学史的観点から古代史研究に清新な研究成果を提唱したことでも有名。大阪歴史学会の活動を定着させた創設者の一人であり、『西宮市史』など多くの市史を手がけ戦後の新しい地方史研究の方向を開拓した研究者としても知られる
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

46
以前読んだ本で山片蟠桃が紹介され、より深く知りたくてこの本を借りました。著者は元関西大学名誉教授の有坂隆道先生。著者が敬愛する関西大学名誉教授の有坂先生の一周忌にあたり、先生が書き残した論考の中から山片蟠桃を含めた大阪の洋楽についてのものを集め編んだ一冊。正直、江戸時代の限られた情報量の中にあって、地動説はもちろん、太陽系外の恒星にも惑星が存在し、我々のような高等生物が存在する可能性を指摘した山片蟠桃の思考力に驚きです。2023/12/14

きいち

30
おお!なんだかオールスターキャスト。◇子会社の社長やりながらガチで学問やってた蟠桃。大丈夫なのか?と思ったら、本家の二代目社長もすっかり仲間に引き込んでたんだ。腐教しちゃったんだね(笑)。でもその彼もなかなかのネットワーカーで、援助した蘭学者の弟子筋の中から緒方洪庵が出る。伊能忠敬の師の師にあたる麻田剛立、貝塚の魚屋(問屋かな?)なのに天体望遠鏡開発しちゃった岩橋善兵衛…。自分の興味とそれへの使命感が優越していて、だからこそ横へ横へとつながる彼らの姿は楽しそうで、自分にとっての理想のキャリア像だと感じる。2018/10/27

きさらぎ

5
2005年出版。あとがきを読むと急逝された著者の論文の中で読みやすいものを選んで編纂したものらしい。いや~とにかく好奇心のカタマリのオッサン’sが可愛くて楽しくてにやにやしてしまう。特に江戸時代の天文学に関心のある向きには大変お薦めである。蟠桃の宇宙論は「空に輝く星はそれぞれがみな太陽で、大宇宙には我々の太陽系と同じものがいくらでもある」というものだったそうで、著者が「すげえなあ」と思っているのが読者にもストレートに伝わってきてとても楽しい。当時の望遠鏡や時計の値段がちょっと判ったりもして資料にも使える。2015/03/26

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