出版社内容情報
精神障害のある人たちは家族との関係に困難を抱えている場合が少なくないが、彼らの「家族」についての語りからは、従来の理想とされる家族像(「家族神話」)へのとらわれや、家族メンバー間の認識のずれなどがどのように彼らを苦しめているのかが明らかになる。そして、その「家族神話」から逃れ、社会との絆を結びなおしていくために、どのような関わりや援助が必要なのかも見えてくる。
このような一般的・理想的な家族像は、精神障害のある人に限らず、その家族像から外れる多くの人にとっても苦しみのもとになることがあると思われる。
本書では、大阪市西成区で精神障害のある人の心理的援助を長年行っている著者が、自らが関わってきた当事者たちとその支援者たちの語りや生き様を通して、多様な家族のあり方や個人の生き方を妨げるものは何か、そこからどうすれば自由になれるのかについて考える。
目次
序章 コミュニティの中で精神障害がある人を支えるということ
第1章 離れたからこそ「家族」になれた
第2章 新しい世界に「跳んでみる」
第3章 もう一度、家族とつながりたい
第4章 孤独の中で
第5章 「消えたい」を乗り越えて
終章 「家族」を超えて生きる
著者等紹介
山本智子[ヤマモトトモコ]
奈良女子大学大学院博士後期課程社会生活環境専攻修了。博士(社会科学)。臨床発達心理士・公認心理師。現在、近畿大学教職教育部教授。大阪市西成区にある障害者施設でスーパーバイザーを務める。東大阪市留守家庭児童育成クラブ職員総合研修講師。大阪府放課後児童支援員等研修講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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