出版社内容情報
これまで数多くの心理臨床家が事例の理解に役立ててきた「イニシエーション」の概念を「没入」と「否定」という観点から捉え直し、多彩な物語素材や体験報告例、「なぐり描き(Mess Painting)」法という描画技法を用いた事例の検討などを通して、その近現代的な様相を明らかにする。心理臨床におけるイニシエーションを多面的に見つめ直し、深層心理学的な心理臨床実践へとつなぐことを目指す意欲的な試み。
目次
序章 心理臨床におけるイニシエーション
第1章 心理療法とイニシエーション
第2章 イニシエーション研究の概観
第3章 イニシエーションに内在する動き(1)―おとぎ話『ホレのおばさん』から
第4章 イニシエーションに内在する動き(2)―Lisa Sloan氏の体験から
第5章 イニシエーションの表現形態と体験のされ方
第6章 「なぐり描き(Mess Painting)」法におけるイメージの体験過程
第7章 「なぐり描き(Mess Painting)」法に見られる現代的なイニシエーションの様相
第8章 総合考察
著者等紹介
石田優香[イシダユカ]
1994年、兵庫県生まれ。神戸大学発達科学部人間形成学科心理発達論コース卒業、京都文教大学大学院臨床心理学研究科博士後期課程修了。博士(臨床心理学)。臨床心理士。公認心理師。現在、京都文教大学臨床物語学研究センター客員研究員。京都市教育相談総合センター(こども相談センターパトナ)カウンセリングセンターに勤務。専攻は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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