出版社内容情報
元型の一つ、「母なるものの元型」は、生と死、慈母と恐母など相反するイメージが表裏をなし、中でも包み込む「容器」イメージが重要であるとされる。この両義性を持つ元型は、セラピストとの関係性の中でしばしば人知を超えた自律的な働きを見せ、クライエントの夢やイメージ表現として展開するが、セラピストはそれをいかに受け止め、また心の変容や治癒を導くのか。4事例から心理療法における治療的意義について考察を深める。
目次
第1部 「母なるものの元型」に関する理論的検討(心理臨床における「母なるものの元型」についての先行研究;本書の方法論)
第2部 「母なるものの元型」から見た事例の実践的検討(虐待を受けた子どもの心理療法;「いのちの水で綺麗になる」と述べた前思春期女児の心理的成長;「私は六条御息所だ」と述べた思春期女児の心理療法;夢と描画表現にみる「母なるものの元型」の傷つきと癒し;総合考察―「母なるものの元型」と心理療法)
著者等紹介
井上靖子[イノウエヤスコ]
1963年、兵庫県神戸市生まれ。大阪女子大学大学院文学研究科社会人間学専攻修士課程修了。大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科にて学位取得。博士(人間科学)。現在、兵庫県立大学大学院教授。臨床心理士。公認心理師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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