出版社内容情報
本書は、ユングが1938年から1940年にかけて行った東洋のスピリチュアリティに関する講義の記録である。
ユングは、本講義をアクティブ・イマジネーションという彼の心理実践に基づいた概念からはじめ、東洋の瞑想の行にその対応物を求めて比較検討していく。その中でも、さまざまなヨーガの伝統や、仏教の行が説く瞑想に焦点が当てられている。
本講義では主要文献として3つのテキストが取り上げられており、その3つとは、今日のヨーガの知識のもっとも重要な源の一つと見なされるパタンジャリの『ヨーガ・スートラ』、中国浄土教徒伝統の書『観無量寿経』、そしてタントラ・ヨーガの経典『シュリー=チャクラ=サンヴァラ・タントラ』である(日本語版巻末には、3つのテキストの解説を掲載している)。
ユングの他のどの著作にも、この3つのスピリチュアルなテキストに対するこれほど詳細な心理学的解釈は見当たらない。
東洋の神秘主義に対するユングの見解を理解するうえでの重要度から?えば、本講義に比肩しうるものは、彼の『黄金の華の秘密への注釈』と『クンダリニー・ヨーガの?理学』のみと?える。しかも、この講義は初学者にも分かるように提?されているものであり、他の2冊よりも手にとりやすい内容となっている。
内容説明
ユングが一般聴衆に向けて語る東洋のスピリチュアリティ。1938年から1940年にかけて行われた、東洋のスピリチュアリティに関するユングの講義の記録。ユングは、本講義をアクティブ・イマジネーションという概念からはじめ、東洋の瞑想の行にその対応物を求めて比較検討していった。『黄金の華の秘密への注釈』や『クンダリーニ・ヨーガの心理学』にも比肩する重要書。
目次
一九三八/一九三九 冬学期(第1講;第2講;第3講;第4講;第5講;第6講;第7講;第8講;第9講;第10講;第11講;第12講;第13講;第14講;第15講)
一九三九 夏学期(第1講;第2講;第3講;第4講;第5講;第6講;第7講;第8講;第9講)
補遺 一九四〇/一九四一 冬学期
著者等紹介
ユング,カール・グスタフ[ユング,カールグスタフ] [Jung,Carl Gustav]
1875~1961。スイス生まれの精神科医、深層心理学の開拓者。ユング自身はみずからの体系を分析心理学と称し、集合的無意識、元型といった概念を提唱して、単なる一個人の枠にとどまらない壮大な心の見取り図を示した。2009年に長らく門外不出だった『赤の書』(邦訳は創元社)が公刊され世界に衝撃を与えた
リープシャー,マーティン[リープシャー,マーティン] [Liebscher,Martin]
ユニバーシテイ・カレッジ・ロンドンのヨーロッパ言語・文化・社会学部講師、フィレモン財団の編集・翻訳者
河合俊雄[カワイトシオ]
京都こころ研究所代表理事。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。Ph.D.(チューリッヒ大学)。ユング派分析家、臨床心理士、公認心理師
猪股剛[イノマタツヨシ]
帝塚山学院大学准教授。博士(教育学)。ユング派分析家、臨床心理士、公認心理師
宮澤淳滋[ミヤザワジュンジ]
すずのきメンタルケアクリニック在籍。相模女子大学非常勤講師。上智大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学。臨床心理士、公認心理師
鹿野友章[カノトモアキ]
上智大学総合人間科学部心理学科特任助教。横浜西口カウンセリングルーム在籍。上智大学大学院総合人間科学研究科心理学專攻博士後期課程単位取得満期退学。臨床心理士、公認心理師
長堀加奈子[ナガホリカナコ]
上智大学総合人間科学部心理学科特任助教。上智大学大学院総合人間科学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得満期退学。博士(心理学)。臨床心理士、公認心理師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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