出版社内容情報
「近代の意識」と不可分に結びついて始まった心理療法は、ポストモダンの時代を迎え、もはや成立しがたい状況に直面している。現代の精神病理を代表する解離性障害や発達障害は心理療法をどう変えたのか。現代の意識の特徴である「サイコロジカル・インフラの消失」とはどのような事態か。人類の精神史において心理療法というプロジェクトがどのように展開してきたのか、そのプロセスを解き明かし、今日の在り方を根底から問う。
内容説明
終焉の時はすでに始まっている。現代の精神病理を代表する「解離性障害」や「発達障害」は心理療法をどう変えたのか?現代の意識の特徴である「サイコロジカル・インフラの消失」とはどのような事態か?人類の精神史において心理療法というプロジェクトがどのように展開してきたのか。そのプロセスを解き明かし、今日の心理療法の在り方を根底から問う。ここがロドス島だ、ここで跳べ!
目次
今日の心理療法の在り方
第1部 心理療法と「近代」―ユングの三つの夢を通して(神話的世界へのイニシエーション―ファルスの夢;「近代の意識」の本質―影入道の夢;神話的世界の埋葬―家の夢)
第2部 心理療法における「近代」と「前近代」(心理療法の始まりと「意味の病」;心理療法と錬金術の論理;心理療法の本性としての“非治療性”)
第3部 心理療法と「現代の意識」(心理現象としての解離;発達障害は心理療法をどう変えたのか?;ユビキタスな自己意識とその心理療法)
心理療法の終焉
心理療法家に求められるもの―カフカの『掟の門』をめぐって
著者等紹介
田中康裕[タナカヤスヒロ]
1963年生まれ。上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(心理学)、ユング派分析家、臨床心理士。現在、京都大学大学院教育学研究科准教授。専攻は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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