緩和ケアという物語―正しい説明という暴力

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緩和ケアという物語―正しい説明という暴力

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  • サイズ A5判/ページ数 215p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422115931
  • NDC分類 494.5
  • Cコード C3011

出版社内容情報

患者個別の物語に固有の価値を見出し、患者を語り手として尊重する、ナラティブ・アプローチを用いた時に見えてくる緩和ケアの世界。

患者の個々の価値観や状況、医療の文脈を無視して、緩和ケアの「正しい理解」を促すことは、時として倫理的暴力となることもある。ナラティブ・アプローチは患者の個別の物語に固有の価値を見出し、患者を語り手として尊重し、複数のナラティブの共存を認める。患者が抱くストーリーを医療の中心に置いた時に見えてくる世界を、著者が経験した具体的な事例とともに描き出す。医療者だけではなく、がん医療に関心のある全ての方へ。

はじめに

第1章 物語としての緩和ケア
 1 緩和ケア病棟は安楽死させてくれる所?
 2 「正しい説明」という暴力
 3 ナラティブ・ベイスト・メディスン
 4 物語という観点をもつことの意義
 5 緩和ケアの基盤にある物語

第2章 緩和ケアを語りベースにする
 1 スキルとしてのナラティブ
 2 視点としてのナラティブ
 3 ある肺がん患者の語りから
 4 ストーリーのずれ
 5 新たなストーリー
 6 葛藤を抱える

第3章 物語の力
 1 物語の力は体にも響く
 2 治療としての物語
 3 物語が現実を作る
 4 物語は聞きすぎないほうがよい場合もある

第4章 痛みをめぐる語り
 1 痛みの多面性
 2 依頼時の状況
 3 患者側のストーリーと主治医側のストーリー
 4 初回診察
 5 痛みの軽快
 6 現実に直面する
 7 激痛
 8 窓口を一つに
 9 さいごに

第5章 痛みの医学的物語
 1 医学的常識は時代とともに変化する
 2 心の痛みと身体の痛みは分けられるか?
 3 痛みの不思議
 4 痛みの神経学的基盤
 5 痛みの意味
 6 条件付け
 7 プラセボ
 8 心理療法とプラセボ
 9 痛みと向き合う

第6章 物語としてのスピリチュアリティ
 1 緩和ケアとスピリチュアリティ
 2 世界の始まりに
 3 白い鮎
 4 スピリチュアリティとは?

第7章 ストーリーのずれ――ソウル・ペイン
 1 スピリットとソウル
 2 病名のインパクト
 3 ナラティブとして聞く
 4 存在基盤の断層
 5 魂の揺れ
 6 ソウル・ペイン

第8章 「病うこと」と幸福感
 1 やまふこと
 2 幸福感
 3 桜木妙子さんのこと
 4 苦しみの窮まるところ

第9章 死の臨床と罪悪感
 1 罪と罪悪感
 2 むじな長屋
 3 おなかにとっての罪意識
 4 佐八にとっての罪意識
 5 保本にとっての罪意識
 6 死を前にして感じられる罪悪感

第10章 混沌の物語
 1 木崎さんのこと
 2 物語の舞台に上がる前に
 3 混沌の語り
 4 モードの変化
 5 死を告げる
 6 死に臨む臨床家

第11章 緩和医療における時間
 1 時間の変容
 2 「今」の突出
 3 「今」に潜入する「未来」
 4 緩和ケア病棟における時間

第12章 病を書く
 1 症例の記述様式の歴史的変遷
 2 現代のカルテの特徴と盲点
 3 なぜ記述様式にこだわるのか?
 4 記憶に基づく逐語録
 5 逐語で書くことの意義
 6 病を「書く」

第13章 傷を負った者が癒す
 1 傷を負った者が癒す
 2 健康な治療者と傷を負った治療者
 3 実感をもって理解する
 4 時空の変容
 5 あらゆる病気が自分のなかにある
 6 セラピストのなかの患者と患者のなかのセラピスト
 7 力の問題
 8 心的感染
 9 自分とは何か
 10 ヒポクラテスとアスクレピオス

初出一覧
おわりに

【著者紹介】
岸本寛史(きしもと・のりふみ)1966年生まれ。1991年京都大学医学部卒業。現在、高槻赤十字病院緩和ケア診療科部長。主な著書『癌と心理療法』『緩和のこころ』(誠信書房)『緩和医療レクチャー』(共編、遠見書房)『ナラティブ・オンコロジー(』(共編、遠見書房)『ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践』(共著、金剛出版)『臨床ナラティブ・アプローチ』(共著、ミネルヴァ書房)『コッホの「バウムテスト[第三版]」を読む』(共著、創元社)ほか。主な訳書『MDアンダーソン・サイコソーシャル・オンコロジー』(共監訳、MEDSi)『ナラティブ・ベイスト・メディスン』(共監訳、金剛出版)『ナラティブ・メディスン』(共訳、医学書院)『関係するこころ』(共訳、誠信書房)『バウムテスト[第3版]』(共訳、誠信書房)ほか。

内容説明

物語の書き換え。医療者と患者の相互交流の扉を開くナラティブ・アプローチ。

目次

物語としての緩和ケア
緩和ケアを語りベースにする
物語の力
痛みをめぐる語り
痛みの医学的物語
物語としてのスピリチュアリティ
ストーリーのずれ―ソウル・ペイン
「病うこと」と幸福感
死の臨床と罪悪感
混沌の物語
緩和医療における時間
病を書く
傷を負った者が癒す

著者等紹介

岸本寛史[キシモトノリフミ]
1966年生まれ。1991年京都大学医学部卒業。現在、高槻赤十字病院緩和ケア診療科部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

98
医者になるまで自分の言葉で人に絶望を与えるなど想像もしなかった。しかし医者には伝えねばならない時がある。本書は「美しい距離(山崎ナオコーラ著)」の参考図書。「正しい説明という暴力」との表現が告知を巡る自分の迷いに刺さった。筆者は実際共に働かせていただいたがいつもフットワーク軽く穏やかに患者だけでなく主治医の言葉も傾聴して下さるのを知っているから、抽象的な言葉にも重みを感じた。混沌に敬意を払うという言葉にあるように、迷う時こそ患者の物語に興味と敬意を持ちたい。そのための知識と語彙が豊富で、バイブルになった。2023/05/02

Tatsuo Mizouchi

0
☆☆☆ この考え方って地域づくりにも活かせると思っているのです。でも、自分にできているかというとはなはだ疑問ですが・・・2017/11/30

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