出版社内容情報
森田正馬の「神経質」論や森田の雅号「形外」、フランス人から見た森田療法など、独自の切り口から、森田療法の本質を探る。
明治、大正の時代に日本文化の土壌の上に創案され、いまなお広く実践されている森田療法。しかし、今日の「森田療法」の中に、森田療法の本質は忘れられずに生きているのだろうか。森田正馬の「神経質」論、森田に先駆けて神経質を論じた中村譲の人生、森田の雅号「形外」の意味、森田療法と認知行動療法の関係、フランス人から見た森田療法など、これまでにない独自の切り口から、歴史の狭間に埋もれた森田療法の本質を探る。
目 次
序―森田療法について思うこと―
第1章 森田療法を考える
1 入院森田療法の構造―森田療法と移行対象―
2 森田療法への「とらわれ」について
3 神経症を「治さない」
4 森田療法における不都合な真実―原法の衰退とその事情について―
第2章 「神経質」論を顧みる
1 森田正馬の「神経質」概念についての偶感
2 中村譲―森田正馬に先駆けて「神経質」を論じた精神科医―
第3章 人間、森田正馬
1 良寛の言葉と森田正馬の死生観
2 森田正馬の雅号「形外」の意味をめぐって
第4章 「生活の発見」を再発見する
1 林語堂の『生活の発見』について
2 すべては便所掃除につきる
3 雑誌「生活の発見」から「生活の発見会」へ
4 下村湖人と永杉喜輔の社会教育
第5章 森田療法で自殺を防ぐ
1 京丹後市における自殺の問題をめぐって
2 自助と他助―森田療法で自殺を防ぐ―
第6章 森田療法と認知行動療法
1 「認知行動療法は必要か?」―日本行動療法学会・シンポジウム二〇一二―
2 森田療法の立場と認知行動療法【意見(1)】
3 認知について【意見(2)】
4 行動について【意見(3)】
5 感情について【意見(4)】
6 森田療法と教育【意見(5)】
7 森田療法は万能か?【意見(6)】
8 補遺【意見(7)】
9 「認知行動療法は必要か?」―森田療法の立場から―〈発表の概要〉
10 「認知行動療法は必要か?」(シンポジウム)のその後
第7章 波また波―仏教、森田療法、認知行動療法、そして瞑想―
1 “ヌーヴェル・ヴァーグ”(新しい波)
2 森田療法が認知行動療法(CBT)を受け入れた事情―仏教との関係なき関係―
3 森田療法の中の仏教
4 「瞑想」をめぐって
5 おわりに
第8章 森田療法に対するフランス人の視線―今後の日仏交流のために―
1 森田療法の国際化における問題
2 最近の私の国際交流
3 やりとりから見えたこと
結び―自問自答する森田療法―
【著者紹介】
岡本重慶(おかもと・しげよし)医学博士、精神科専門医、精神保健指定医、日本森田療法学会認定医。1965年、京都大学医学部卒業。1984~1985年、サンタンヌ病院・パリ心身医学研究所に文部省在外研究員として留学。いくつかの病院勤務を経た後、1996年、兵庫県立姫路短期大学名誉教授。1996~2008年、佛教大学教育学部教授(大学院で森田療法を講じる)。2012年より京都森田療法研究所主宰。森田療法については、1974年より三聖病院非常勤医師として約40年間、禅的な森田療法に従事。主な著訳書に『知られざる森田療法』(単著)北樹出版、『器質・症状性精神障害』(分担・共著)中山書店、『絵とき精神医学の歴史』(共訳)星和書店、『大学生の情緒問題』(共訳)文光堂。
内容説明
本物の森田療法の魂は、本質は、忘れられずに生きているのだろうか。「苦痛を苦痛し、喜悦を喜悦す。之を苦楽超然と言ふ。」安易に癒やし過ぎる、癒やし幻想のこの時代に、森田正馬の教えを味わい直す。
目次
第1章 森田療法を考える
第2章 「神経質」論を顧みる
第3章 人間、森田正馬
第4章 「生活の発見」を再発見する
第5章 森田療法で自殺を防ぐ
第6章 森田療法と認知行動療法
第7章 波また波―仏教、森田療法、認知行動療法、そして瞑想
第8章 森田療法に対するフランス人の視線―今後の日仏交流のために
著者等紹介
岡本重慶[オカモトシゲヨシ]
医学博士、精神科専門医、精神保健指定医、日本森田療法学会認定医。1965年京都大学医学部卒業。1984年~1985年サンタンヌ病院・パリ心身医学研究所に、文部省在外研究員として留学。いくつかの病院勤務を経た後、1996年兵庫県立姫路短期大学名誉教授。1996年~2008年佛教大学教育学部教授(大学院で森田療法を講じる)。2012年より京都森田療法研究所主宰。森田療法については、1974年より、三聖病院非常勤医師として、約40年間禅的な摂田療法に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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