出版社内容情報
「ことば」と「知」の二つの概念について、フロイト及びラカンの精神分析理論に基づいて検討する、新進気鋭の著者による意欲作。
心理臨床の実践とは、発話と解釈を通して無意識をめぐる自分自身を知る体験により、新たな生き方を模索することである。その実践の根本にある「ことば」と「知」の二つの概念について、精神分析を創始したフロイト及びそれを深化させたラカンの二人の精神分析理論に基づいて検討をおこない、ことばと知が孕む「欠如」とその視点からの発達障害の理解など、心理臨床実践の在り方そのものをも問い直す、新進気鋭の著者による意欲作。
【著者紹介】
1983年三重県生まれ。2006年京都大学教育学部卒業。2011年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2012年博士(教育学)学位取得。専門は、心理臨床、精神分析。論文に「情動の『居心地悪さ』――主体のよるべなさと現代における『うつ』」(『I.R.S.――ジャック・ラカン研究』11号)など。現在、非常勤にて臨床心理士と大学講師を務める。
内容説明
現代社会における心理臨床の可能性。フロイトやラカンのテクストを基に「ことば」と「知」の今日的意義を検討することで、「発達障害」をはじめ臨床実践の在り方への問い直しをも試みた新鋭による本格的論考。
目次
第1部(精神分析におけることばと解釈―フロイトからラカンへの展開;人間存在にとってのことばと真理―ラカンとデイヴィドソンの議論から)
第2部(現実的なものへの応答としての主体―生物学的決定論、エディプス的運命の彼岸;精神分析における知と無意識―主体の欠如と知の可能性)
第3部(倒錯としての「発達障害」―享楽の倒錯性と欲望の困難;現代における主体のよるべなさ―他者の不在と享楽の優勢)
エピローグ―「ありきたりの不幸」から主体の単独性へ
著者等紹介
河野一紀[コウノカズノリ]
1983年三重県生まれ。2006年京都大学教育学部卒業。2011年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2012年博士(教育学)学位取得。専門は、心理臨床、精神分析。現在、非常勤にて臨床心理士と大学講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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