吸血鬼イメージの深層心理学―ひとつの夢の分析

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  • サイズ A5判/ページ数 271p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422115597
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3011

出版社内容情報

東欧の民間伝承、ドラキュラ映画、日本の漫画などに見る「吸血鬼」「ドラキュラ」イメージの変遷を、臨床心理学の観点からたどる。

心理療法の中で語られた、吸血鬼が登場する一つの夢。その夢を出発点として、東欧の民間伝承、海外のドラキュラ映画、日本のマンガに登場する「吸血鬼・ドラキュラ」イメージについて臨床心理学の観点から考察を進める。「吸血鬼」という異形のもののイメージがたどった歴史的変遷をたどり、吸血鬼イメージのもつ深みを探ることで、個人レベルではなく「人間のこころ」の歴史的変遷の在り方までもを映し出そうとした意欲作。

【著者紹介】
井上嘉孝(いのうえ・よしたか)京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。同研究科助教を経て、2012年4月より帝塚山学院大学人間科学部心理学科准教授。博士(教育学)。

内容説明

東欧の民間伝承、映画、マンガetc.…人々のこころを惹きつけてやまない「吸血鬼」。そのイメージの広がりと変遷について深層心理学の観点から丁寧に考察を深め10年の歳月をかけて編み上げられた、新進気鋭の著者による研究の集大成。

目次

序章 ひとつの夢への導入
第1章 方法論の検討
第2章 ドラキュラ以前―吸血鬼イメージの根源
第3章 ドラキュラとその展開―吸血鬼のフィクション化
第4章 日本と吸血鬼イメージ―不死者の死
第5章 吸血鬼イメージと「こころの歴史性」
終章 ひとつの夢を理解する試み

著者等紹介

井上嘉孝[イノウエヨシタカ]
1976年12月東京生まれ。学習院大学文学部心理学科卒業、京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門は臨床心理学、深層心理学、心理療法。京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター助教を経て、帝塚山学院大学人間科学部心理学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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水菜

1
こ、これは面白い。吸血鬼の歴史から現代の吸血鬼(漫画や映画)の扱われかたまで読める。ユング心理学…しっかり勉強してみたい。2013/05/12

tekesuta

0
吸血鬼が内省するようになったのと、人間が異界を無意識に閉じ込め自己の根源を自己に求めざるを得なくなったことはリンクしているように思う。そしてまた注釈で人間が吸血鬼になりたがる話はいくらでもあるけど、吸血鬼が人間になりたがる話は見かけない、ということを述べていて、もしかするとその不死性と暴力性、官能性を人間が欲しているからではないかとふと思った。 2013/06/21

森野あやめ

0
ユング派心理学の観点を中心にある1つの吸血鬼が登場する夢を分析する。 その段階として中世期から現代に至るまでの吸血鬼の伝承・証言・作品(フィクション)を通して、「吸血鬼」がどのような歴史背景や価値観として認識変化してきたかに多くのページを割いている。 非常に面白い分析(論文)で心理学分野の専門家である著者がこのようなテーマに興味を持ってくれたことに感謝したい。2024/03/24

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