臨床におけるナルシシズム―新たな理論

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  • サイズ A5判/ページ数 181p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422114019
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C3011

出版社内容情報

愛されなかったものに焦点を当てるという逆の視点から、ナルシシズムにとらわれた状態について、新たな理論を提唱する。

内容説明

ナルシシズムにとらわれた状態とはどういうものか?なぜ、そうしたことが起こるのか?そこから回復するためには何が必要なのか?豊かな臨床経験から、説得力ある新しい理論を提示する注目の書。

目次

第1章 背景の設定
第2章 複合体としての自己
第3章 ナルシスティックな選択
第4章 自己の志向性
第5章 自己の性愛化
第6章 ナルシシズムの現象学
第7章 外傷とナルシスティックな選択の関係
第8章 ナルシシズムの逆転
第9章 この理論とほかの精神分析理論との関係
第10章 ナルシシズムの性格への影響

著者等紹介

シミントン,ネヴィル[シミントン,ネヴィル][Symington,Neville]
精神分析家。哲学・神学・心理学で学位を取得後ロンドンで分析家となりタビストック・クリニックで勤務、1986年オーストラリア精神分析協会に招かれシドニーに移住し、のち同協会会長を務める

成田善弘[ナリタヨシヒロ]
1941年、名古屋大学医学部卒業。精神科医、臨床心理士。日本精神分析学会認定スーパーバイザー。現在、桜クリニック嘱託

北村婦美[キタムラフミ]
1996年、京都大学医学部卒業。精神科医、日本精神分析学会認定精神療法医。京都民医連中央病院精神神経科所属

北村隆人[キタムラタカヒト]
1993年、京都府立医科大学医学部卒業。精神科医、日本精神分析学会認定精神療法医。現在、マッコーリー大学哲学科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くろねこ

7
もやもやと感じ考えようとしていたことを明快に簡単な言葉で説明してもらったような、私の体験に言葉を与えられたような感じで読みました。理論書を読みながら泣くとは思いませんでした。著者はナルシシズムは外傷による防衛の手段であるが、どれだけ外傷体験に圧倒されようと当人の選択があると言うことを述べています。そこに希望があると感じます。またナルシシズムはあらゆる精神障害の源と考える点も、大胆すぎるのではと思いつつ、直感的には納得という感じがしています。アンナカレーニナを再読してから、英語で読み返します。2023/10/03

デフォー

1
ナルシシズムについての新しい理論、という通り、ナルシシズムについて新たな視点から目を開かれた本であった。ナルシシズムは、現代のわたしたちや臨床を考える上で非常に重要な概念であるが、同時に、難しい概念でもある。シミントンのアプローチは、私にとっては、ナルシシズムという現象と概念についての思考を深める刺激となった。現在再読中であり、原書を取り寄せて英語と合わせて読みながら理解と思考を深めたい。2022/07/04

ひろゆき

1
ナルシシズムという言葉の意味はわかっているようで、わからない。というかナルシスの神話も全体は初めて知った。いろいろ定義はあるのだろうが、この本では、人との関わりあいで選択することもなく流されるという病ということを知った。短期記憶だけのような従順な表面がある故に、閉鎖された自己。結構溢れているかも。アンナ・カレーニナからかなりの引用。2013/04/27

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