出版社内容情報
親と子の問題を中心に、中高年の心の問題や自己愛人間など、精神分析的なものの見方をやさしく語る講演集。解説は相田信男氏。親子の間にある愛と憎しみについて、依存について、親離れと自立、思春期の娘をもつ親へのアドバイスなど、親と子のさまざまな問題を中心に、中高年の心の問題や、シゾイド人間と自己愛人間、対象喪失とモーニングなど、人間の心についての深くておもしろいお話を幅広く集めた一般向け講演集の文庫化。精神分析的なものの見方が、やさしく、わかりやすく語られる。親子の問題に悩む一般読者から、カウンセラー、精神科医まで。解説は、相田信男氏。
I 依存のすすめ
日本は甘えの文化
自立するためのじょうずな依存
共に共存し合うこと
II 思春期の娘と母
娘に伝えたい新しい女性の生き方
思春期の子どもの秘密と嘘
III 親と子の憎しみ、怨み
時代の中の子ども
怨みの世界と子どもの心
父と子の愛と憎しみ
おわりに
IV 老いの心理と中年の心の危機
高齢者に対する差別と偏見
中高年夫婦の問題
中年における心の惑い
V 自立を支える親の役割
高齢化社会と親子関係
「分離」と「個体化」の親子論
子どもとの信頼を結ぶ母親
思春期の親離れ
子どもの自立を励ます家庭
VI 悲しみといやし
対象喪失とは
対象喪失によって起こる心の反応
喪の仕事
VII 引きこもりの時代
シゾイド人間とは
シゾイド人間の変遷
自己愛について
まとめ
小此木 啓吾[オコノギ ケイゴ]
小此木啓吾(おこのぎ けいご)
1930年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部精神神経科助教授、同大学環境情報学部および医学部精神神経科兼担教授をへて、東京国際大学大学院臨床心理学研究科教授、慶應義塾大学環境情報学部客員教授などを歴任。日本精神分析学会会長など数々の役職を務め、現在、日本の精神分析界を中心で担う優秀な臨床家を数多く育てた。2003年9月逝去。
著書に『現代精神分析1・2』『フロイト?その自我の軌跡』『現代精神分析の基礎理論』『日本人の阿闍世コンプレックス』『対象喪失』『自己愛人間』『心の臨床家のための必携精神医学ハンドブック』など多数。
内容説明
本書に書かれているのは、「精神分析」という特殊な専門領域についてのものではない。自立や依存、引きこもり、夫婦・親子など家庭内で生じるさまざまな問題、老いや喪失・別れなど、だれもが生きる上で出会う苦悩の数々を、自己体験も盛り込みながら、心の専門家の視点からわかりやすく語ったものである。
目次
1 依存のすすめ―自立より大切な甘え
2 思春期の娘と母―親に秘密をもつことの意味
3 親と子の憎しみ、怨み―母性の危機と新しい父親の役割
4 老いの心理と中年の心の危機―明るい長寿社会を生きるために
5 自立を支える親の役割―思春期の親との別れ
6 悲しみといやし―対象喪失とモーニング
7 引きこもりの時代―シゾイド人間のゆくえ
著者等紹介
小此木啓吾[オコノギケイゴ]
1930年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。東京国際大学人間社会学部教授(専任)、慶應義塾大学総合政策学部教授(兼任)。慶應心理臨床セミナー講師。医学博士。精神分析学、精神医学専攻。2003年9月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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