目次
第1章 「生物多様性」とは何か?
第2章 生物多様性が危ない
第3章 クワガタムシが語る生物多様性
第4章 マルハナバチが語る生物多様性
第5章 ミジンコが語る生物多様性
第6章 ダニが語る生物多様性
第7章 カエルが語る生物多様性
著者等紹介
五箇公一[ゴカコウイチ]
1965(昭和40)年富山県生まれ。生態学者。京都大学博士(農学)。90年宇部興産株式会社入社、96年、国立環境研究所入所。化学物質の生態リスクに関する研究、侵入生物の生態リスク研究を展開。最近ではカエルの病原体「カエルツボカビ」の追跡調査を行った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
14
本書が出版された当時は生物多様性という概念自体がほとんど浸透しておらず、まず生物多様性の基本的な考え方を紹介した後に、クワガタやダニ、ミジンコなど具体的な生物から多様性保護やリスク評価の話に進んでいく。生物への愛着あふれる語り口と真剣な問題意識が両立した良質の入門書。日本のヒラタクワガタと東南アジアのヒラタクワガタでは、交雑可能な同じ種であるにも関わらず遺伝的には500万年の隔たりがあり、これは人間とチンパンジーの隔たりに匹敵する、という雄大なスケールから遺伝子の多様性を学べたり話が面白くてわかりやすい本2017/07/17
art_mr
9
14年前くらいの本なんですね…遺伝子・種・生態・景観の多様性のメリットから、クワガタ・ハチ・カエル・ミジンコの例を挙げて外来生物や薬物による生態系の変化などが分かりやすく語られています。2024/12/26
shion
9
生物多様性とはどういうことか、何故大切なのかがよくわかる。人間が今後も長く自然と共生しようというより、目先の利益や欲望で自然を搾取するやり方で問題が次々発生しているようで、ため息が出る。「生物多様性にとって人間の存在は不要もしくは有害な存在にすぎないが、人間にとって生物多様性はなくてはならない」。生命に不可欠な酸素や水の供給、農作物や医薬品の素材となる遺伝子資源、美しい風景なども自然生態系あってのもの。まずは、生物多様性のことを多くの人が知るということが大切なのではないかと思う。2013/12/02
遥
7
五箇公一さん著の「クワガタムシが語る生物多様性」を読み終えました。一般向けに書かれた生物多様性の本です。生物多様性の重要性を説くために書かれた本で、その具体的なケースとして著者が研究に携わったクワガタムシ、マルハナバチ、ミジンコ、ダニ、カエルに関することが書かれています。クワガタムシを飼育する文化が日本特有のものだそうです。それに関して著者が調べて考えたことが書かれていたのが面白かったです。2024/01/01
Sanchai
4
著者ご本人のトークもそうだったが、書き方も非常にわかりやすく、読みやすい本だった。これまでの研究でわかったことを易しく説明し、生物多様性の何が問題なのか、小中高生でも理解できるよううまくまとめておられる。時々挿入されているユーモアもなかなか秀逸。お薦めの1冊である。2011/05/01