出版社内容情報
巧妙な送金方法が種々行われている。日本では脱税やマネーロンダリング等に対する役所の連携や情報交換をする体制が未整備。租税法や税法学の分野でもあまり扱われていない所に焦点を当てた。
内容説明
財政健全化、それは主要国の共通の目標である。日本の財政危機の原因とその対策は、税制にある。原因の一つは歳入ロス、納税者から国庫へのパイプラインに穴があき、税金が消える。本書では、国際的取引のなかで合法的・非合法的に漏れ出す多額の税金の喪失に焦点を当て、そのメカニズムを解明する。租税回避行為に対する役所の連携や情報交換が未整備である日本で、濫用的租税回避を脱税として処罰する必要性を主張し、その課題への答えを探る。
目次
第1章 所得税制の支柱は腐食していないか
第2章 税法の認める租税の減免措置(政策的減免措置)による税収ロス
第3章 税法の基本原則を利用して海外へ逃避する税金―節税の巻
第4章 国民でも非居住者になって納税義務の範囲を小さくすることができるか
第5章 租税回避行為による税金の喪失は阻止できるか
第6章 脱税によって侵食される税収
第7章 マネーロンダリングによって腐食される税収
第8章 マネーロンダリングに挑戦する米国財務省・内国歳入庁の特別捜査官たち
著者等紹介
本庄資[ホンジョウタスク]
昭和39年京都大学法学部卒業。以後、大蔵省主税局国際租税課外国人係長、日本貿易振興会カナダ・バンクーバ駐在、大蔵省大臣官房調査企画課(外国調査室)課長補佐、国税庁調査査察部調査課課長補佐、広島国税局調査査察部長、東京国税局調査第1部次長、大蔵省証券局検査課長、国税庁直税部審理室長、国税庁調査査察部調査課長、税務大学校副校長、金沢国税局長、国税不服審判所次長。現在、国士舘大学政経学部教授、慶応義塾大学大学院商学研究科特別研究教授、税務大学校客員教授、経済学博士
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