赤い薔薇ソースの伝説

赤い薔薇ソースの伝説

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784418935055
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

台所で生み落とされ、台所の匂いに包まれて成長した美しい娘ティタ。台所は彼女の聖域。伝統の鎖から解放される唯一の場所だった…。革命の嵐が吹き荒れるメキシコの農場を舞台に、不思議な力に守られながら、禁じられた愛に身をこがす女の数奇な運命を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えりか

43
ラテンアメリカの幻想的な愛と料理の物語。悲しみの涙が混ざったケーキは、人を哀愁へと誘い、死さえも招く。血の混ざった薔薇ソースの鶉料理は、激しい愛の情欲へと掻き立てる。それは一口味わえば疾走する馬上で恋人と裸で交わるほどの情熱をたぎらす。作り手の気持ちが料理の決め手になる。ゆっくりと時間をかけて、気持ちを込めて美味しい料理を作っていくように、愛もまたゆっくりと実らせていければいい。何年かかっても、ゆっくりと。そうしてできた愛はきっと体の中の燐が激しく瞬き、自らが発火してしまうような煌めく愛になるはず。2016/09/05

こばまり

34
90年代に映画もヒットしたメキシコの小説を実家より持ち帰り【再読】。南米文学には悪魔的支配力を持つおっかさんが度々登場します。2014/10/12

nina

27
ゆっくりと時間をかけて材料を混ぜ合わせ火を通す。そのとき心を占める一番強い感情が込められた料理は、それを食す人々を激しく突き動かす。あるときは悲しみの涙を吸い込んだメレンゲがケーキを食べた人々に強い郷愁をおこさせた末に嘔吐させ、静かな優しい愛に包まれて作った七面鳥のモーレは人々を天に登るような幸福感で満たし、苦しみから解放され燃え立つ激しい情熱が込められたチレエンノガータは淫らな欲情さえ巻き起こすのだ。ラテン特有の魔術的世界観と恋の情熱が作り出したメスティーソ料理の不思議な匂いに酔いしれた。2014/05/20

ふみ

24
なんというか理不尽!理不尽!理不尽!わたしなら、ジョンにするのに…と思いつつ美しい書出しにひっぱられて読了。2018/07/20

K

17
アラブ本を漁っていたら芋蔓式に知ったこの本。映画は未視聴。ラテンアメリカの料理と幻想とあり、意外な取り合わせにわくわくしながら読む。台所で生まれ育った少女ティタは家のしきたりで結婚を許されず、姉娘を娶った元恋人と同居…と序盤からハードモード。悲しみにくれながら彼女は、料理女ナチャから学んだ愛と料理をひたすら作り振る舞い続ける。各章タイトルは料理名。どれも初見で美味しそうだが真似るのは難しそうだ。それらを作るコツや生活の知恵は死んだナチャ直伝のもの。いずれも迷信めいており、また随所に見られるオカルト風の→2020/01/15

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