朝日選書
いっしょに考えてみようや―ノーベル物理学賞のひらめき

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  • サイズ B6判/ページ数 176p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599582
  • NDC分類 404
  • Cコード C0342

内容説明

身の回りのあらゆる物質を構成する究極の要素は何か。それを解き明かそうとする素粒子物理学はクォークと呼ばれる基本粒子の存在を突き止めた。素粒子の世界で起きる「CP対称性の破れ」という不可解な現象を説明するために1973年、小林、益川の両氏は「クォークは6種類必要」という先駆的な理論を発表。2001年、日本の実験装置「Bファクトリー」と米国の装置がその理論を確かめた。独力で困難なことも複数の力が集まれば成功する。理論と実験、両面から難題に立ち向かった研究者たちの軌跡や両氏の生い立ちを収録。

目次

1 自分を語る(考える過程がおもしろい;関心があることだけをやってきた)
2 講演(6元クォーク模型誕生のころ;科学とロマン)
3 講演(実験への情熱が実を結んだ)
4 パネルディスカッション(宇宙と人間;同行記者が見たノーベル賞の底力)

著者等紹介

小林誠[コバヤシマコト]
1944年名古屋市生まれ。1967年名古屋大学理学部卒業、1972年名古屋大学大学院博士課程修了、京都大学理学部助手、1985年高エネルギー物理学研究所教授、1997年高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所教授などを務める。2003年同機構同研究所所長、2006年同機構名誉教授、2007年日本学術振興会理事。2008年高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授。2009年学術システム研究センター所長。2008年ノーベル物理学賞、文化勲章を受ける

益川敏英[マスカワトシヒデ]
1940年名古屋市生まれ。1962年名古屋大学理学部卒業、1967年名古屋大学大学院博士課程修了、同大学理学部助手、1970年京都大学理学部助手、1976年東京大学原子核研究所助教授、1980年京都大学基礎物理学研究所教授、1990年京都大学理学部教授、1997年京都大学基礎物理学研究所所長、2003年京都産業大学教授、京都大学名誉教授。2008年ノーベル物理学賞、文化勲章を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mstr_kk

4
2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林さんと益川さんの本です。「CP対称性の破れ」の理論はなかなか難しく、前半では噛み砕いた説明がないので、途中までおいてけぼり感がありました。ほかの本などで少し調べて、後半はついていけたかなと思います。小説家の清水義範さんを交じえたシンポジウムの記録も入っていて、後半のほうが親しみを感じられる本でした。2016/04/08

Kentaro

1
ダイジェスト版からの要約 何かわからないことがあった場合、それが謎とかパラドックスであった場合、それを解きたいと思うことから考えることは始まる。一度そういう問題に遭遇したら、さまざまな方法やアプローチを頭の中で試す。現実の中の制約と整合して合わないものを一つずつつぶしていくと袋小路になることの方が多いが、あるとき突然ひらめくことがある。ある道筋がさっと見える、見通しが立つ事があるのです。それが「考える」ことだという感覚を私は持っています。何かほかのことをしていても、頭の中に問題の意識はずっとあるわけです。2018/06/28

Riko

0
図書館で借りた2016/01/28

massn

0
ノーベル賞記念本。二人の学生時代の話やシンポジウムなど雑多な話題が多いが、ちょこちょこ勉強になります。2011/03/10

MAGASUS藤丸

0
小林は学者肌。益川は茶目っ気ある天才肌で話が簡潔。CP対象性の破れから、クォークが3種類しか発見されていなっかた頃、理論的に6種類あれば現象を上手く説明できるとしたものが、約20年後実験で理論的裏付けがなされてノーベル物理学賞に。発見には膨大な敷地とカネが必要で、高エネルギー加速器研究機構の加速器で「Bファクトリー」とスタンフォードチームが2001年7月ほぼ同時に証明した。物質の究極要素を解き明かせたのは、高エネルギービームを当て反射を元に存在証明するラザフォードの方法。改めて彼は天才だったと認識した。2012/08/23

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