出版社内容情報
全国の染織品(きもの、帯)の現場を徹底取材。「ユネスコ無形文化遺産」などの希少な染織に、独特の素材作りなども細やかに紹介。
内容説明
美しく希少な18の染織。この美しさは、夢幻境の布世界。
目次
草木布―原始の織物と上布(芭蕉布;太布(楮布) ほか)
手技の極み―手が創る美しい染織(木版摺更紗;花倉織 ほか)
紬・木綿―風土薫る暮らしの衣(結城紬・結城縮;丹波布 ほか)
日本の素材(手績みの苧麻;草木布の糸になる植物の図鑑 ほか)
著者等紹介
片柳草生[カタヤナギクサフ]
横浜市生まれ。青山学院大学卒業後、婦人雑誌の編集者を経て、フリーランスの編集者、文筆家に。工芸、染織、旅などを中心に執筆。多くの手仕事を紹介すると共に、日本美術、茶道、骨董などの取材、編集を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるき
15
手仕事って、厳しい世界です。だからこそ逸品が生まれる。だから、後継者育成が難しい…。でも、需要はきっとこれからもあると思う。2021/09/19
ひみ
10
はあぁ~思わずうっとりため息。着物、とりわけ紬が好きなので、作り手さんの想いを感じられる素敵な本だと思いました。多く出てくるのは「糸が大事」ということ。大自然に育まれ、自分が想像する何倍もの時間と手間隙をかけてつくられる糸。計り知れないこだわりと技術で染められていき、織られていく反物たちにいとおしさを感じずにはいられません。着物は高い、しかし、高いだけの価値がある。改めてそう思えるのでした。…また欲しくなってしまった(笑)2018/05/04
イボンヌ
8
伝統的な日本の織物を見ると愛国心が湧いてくる。 日本一周の目的が1つ増えました。 「手しごと」という響きも素敵です。 2020/08/01
ユウティ
5
とても良かった。木版摺、南部菱刺し、絞りなどもあるが、糸を紡ぎ織るという手仕事が多い。銀河のような宮古上布、素朴なのに洗練されている燕柄の八重山上布、桜色の葛布、現代風の薩摩絣などが素敵だった。全体に渋いセレクトのなかで、パステルカラーだった沖縄の花倉織が可愛らしくて特に好き。力がなくなるからと同じものは織らない職人さんの話が心に残る。そうか、そういうポリシーがあってもいいんだ。着たことがある物だけ読むつもりが全部読んでしまった。触れる経験は大切なきっかけだから長く残していかなくてはならないなと思う。2025/04/03
kaz
1
基本的に、自然の草木を活かした染織を紹介。沖縄の芭蕉布・宮古上布・八重山上布、徳島の太布、北海道のアットゥシ織、新潟の越後上布・小千谷縮、静岡の葛布、北関東の結城紬・結城縮、兵庫の丹波布、鳥取の弓浜絣等、それぞれの仕事が美しく、写真を眺めるだけでも楽しめる。それぞれ手間のかかる仕事であり、後世に残せるかどうか不安がある。 2017/07/02