出版社内容情報
初舞台から50年を記念した初の著書（随筆集）。難しいと言われる能の世界、能楽師の人生を平易かつ楽しく綴ることで、ファンはむろん疎遠でいた人々にも読んで欲しい１冊
内容説明
能を通じて「人のあり方」を見据え続けた先人、師、仲間…。彼らがひたむきに追い求め、咲かそうと願った花とは？舞台生活５０周年の記念出版。初めての随筆集。分かり易く、熱く、真髄と魂を綴った４４編。
目次
祖父の稽古
初舞台
父の稽古
父の引き際
襲名
孤立
稽古
若いうちの経験
いっときの恥
「教える」ということ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zag2
31
五十六世梅若六郎、現梅若桜雪さんが２０年ほど前、舞台生活五十周年を記念して発刊した随筆集です。この１０年ほど後に人間国宝となられた訳ですが、まさに人間国宝に値する方であることが文章の端々からうかがえます。かつて舞台を拝見して、残念ながらそうした感想を持ったことができなかったのですが、最近、雲林院の一調（謡と大鼓だけの演目）を聞いて、その凄さが初めて分かった気がしました。観客としてようやく師の凄さが理解できるとことまで来たのかと、感慨深いものがあります。2023/02/01
へへろ～本舗
3
能と池坊のいけばなについて考えながら読んだ。池坊の講義でもよく世阿弥の風姿花伝が引き合いに出される。そして能は引き算で舞うのが鉄則であるが、池坊の生け花も引き算で生ける。余白の美を大切にする。 技術にせよ美を見出す力にせよ何事も鍛錬。2022/10/26
