出版社内容情報
伝統の大工の技「規矩術」。曲尺(さしがね)を使って勾配を求める複雑な技術論を、折り紙で模型を作りながらわかりやすく解説
古建築で使われてきた「規矩術」の技法。それは主に社寺などの軒回りの構造に見ることができます。それらの構造を踏まえ、「規矩術」の目的を知ることから、実際の軒回り作りを巻頭のカラー写真で解説していきます。「規矩術」の考え方や使い方は、折り紙で模型を作りながら、その構造を理解し、実際に1本の曲尺(さしがね)から、墨付けができるようになるまでを解説していきます。監修は近世規矩術の選定保存技術保持者である持田武夫氏が担当。氏が推奨する折り紙模型を使った規矩術の学習方法を用い、規矩術の考え方を根本から理解するための教本。
写真で見る曲尺の種類と歴史
古建築を担う職人たち
写真で見る軒回りの種類と名称
規矩術とは
規矩の歴史
軒回りの解説
曲尺の解説ー特徴と使い方
勾配の基礎知識
勾配の応用と実践
折り紙でつくる各種模型…など
内容説明
曲尺の種類と使い方、軒回りの種類と名称、勾配の基礎知識、折り紙でつくる各種模型。実際に1本の曲尺(指金)から、墨付けができるようになる!入門者必見。
目次
写真で見る軒回り 千本釈迦堂 大報恩寺
写真で見る軒回り 相国寺 法堂
一軒隅製作で学ぶ規矩術実習の現場
規矩術で使われる道具について
曲尺という道具とその周辺
規矩術
曲尺(指矩)
折り紙で学ぶ規矩術
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
29
規(コンパス)矩(差金:L字型の定規)を用いた技術。主に日本建築の際駆使される差し金の実践本。一人前のプロの技術アップを目指した書物なので、ドがつく様な素人の自分が読んでも猫に千両箱だが、建築様式で建てられた時代の見当がついたり、技術の授業で雑に扱った(もしくはおもちゃにした)この道具が叡智の結晶で、使いこなせば自在な斜度や複雑な立体も簡単に設計できる認知が得られたのは、得難いものだった。大工の棟梁でなくても、オリジナルペーパークラフトを嗜む人にも、マスターすればかなり捗ると思われる、例題付き。2023/11/19
アメヲトコ
4
超絶変態本。宮大工のための幾何学である規矩術の基本的な考え方と曲尺を用いた墨付け(部材の切断線を引くこと)の方法について解説した一冊。ペーパークラフトの型紙付きで、組み立てると三次元的に理解できるという親切設計ながら、それでも途中から脳味噌が限界に。最後は「加工は鋸と鑿があればできるはずですので、気軽に何度でも挑戦してみてください」とかさらりと書いてあって、もうどうもすいませんでした。2019/03/07
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- 和書
- 適応力 扶桑社文庫