出版社内容情報
ウミウシ図鑑はいくつか出版されていますが、その多くは種の図鑑です。実際には、その種の分類でも変更が生じてしまうことが多く、その生態となると、分類以上に未解明な点が多いのです。このように、ウミウシは、これだけ一般の人にも認知されている生き物ではありますが、まだまだ謎が多い生き物といえます。
日本各地の水族館でも、ウミウシを飼育しているケースはじつに少なく、その一番の理由は「食餌」の調達にあります。各々の種により食餌となる異なったカイメンや海藻などの新鮮なものを、定期的に入手する必要があることが一番の課題です。ウミウシが家の水槽で飼育できたらどんなにきれいなんだろう…と思いながら、実際には飼育ができないのには、そこに理由があります。があります。
かごしま水族館「うみうし研究所」は、日本ではじめてウミウシの常設展を開設し、その展示飼育に力を入れています。本書は、その「うみうし研究所」の西田和記氏を著者に、飼育によりわかってきた232種のウミウシの接餌や交尾、産卵などの様子を、適宜写真を交えながら紹介しています。その他、ウミウシの餌となる生き物を169種も掲載し、ウミウシのことをさらに知ることができる図鑑といえます。
■目次
第一章 ウミウシの基礎生態
ウミウシは何の仲間?/ウミウシの仲間たちと体のつくり/繁殖生態とライフサイクル(ウミウシの生活史)/ウミウシの?殖行動(産卵と卵塊、胚発生、着底・変態、摂食生態)/ウミウシの防御戦略(一次防衛、二次防衛)
第二章 ウミウシの探し方から飼育まで
ウミウシの探し方(ウミウシを探しに行こう)/ウミウシを飼育してみよう/餌生物の採集から利用まで/餌となる多様な生物たち
インタビュー『ウミウシの生態観察図鑑』制作ウラエピソード Interviewer 宮田珠己さん
第三章 ウミウシの飼育生態図鑑
オオシイノミガイ目 (オオシイノミガイ上科)
フシエラガイ目 (フシエラガイ上科)
裸鰓目 ドーリス亜目(ドーリス上科、イロウミウシ上科、フジタウミウシ上科、ラメリウミウシ上科、イボウミウシ上科)/枝鰓亜目(テジマウミウシ上科、スギノハウミウシ上科、ハナガサウミウシ上科、上科未確定)、オオミノウミウシ亜目(ヒダミノウミウシ上科、オオミノウミウシ上科)
ヒトエガイ目(ヒトエガイ上科)
頭楯目 ナツメガイ亜目(ブドウガイ上科、ナツメガイ上科、クダタマガイ上科、キセワタ上科)
アメフラシ目(アメフラシ上科)
翼足目(無殻翼足亜目、ハダカカメガイ上科)
嚢舌目(ナギサノツユ上科、チドリミドリガイ上科)
学名・和名索引
おわりに・謝辞・参考文献
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内容説明
ウミウシの生態は、いまだに謎が多く未解明な点が多い。全国の水族館でも飼育経験が少ないなか、かごしま水族館『うみうし研究所』は、日本で初めてウミウシの常設展示を開設した。本書は、展示で飼育をした232種のウミウシの生態を掲載。各種ウミウシの飼育で重要な、カイメンや海藻などの食餌についても紹介。その他、摂食や交尾、産卵などの様子を撮影した写真も多数掲載したウミウシの魅力満載な1冊となっています。採集や飼育のコツも見どころです。これを読めばあなたもウミウシマスターに!
目次
第1章 ウミウシの基礎生態
第2章 ウミウシの探し方から飼育まで
第3章 ウミウシの飼育生態図鑑(オオシイノミガイ目;フシエラガイ目;裸鰓目;ヒトエガイ目;頭楯目;アメフラシ目;翼足目;嚢舌目)
著者等紹介
西田和記[ニシダカズキ]
1987年、愛媛県宇和島市生まれ。2010年、千葉大学理学部生物学科卒業。同年よりかごしま水族館勤務。飼育技師・学芸員。鹿児島県下海域におけるウミウシ相調査を継続し、これまでに約650種を確認。ウミウシ類の飼育・展示、繁殖手法の確立へ取り組み、2017年に水族館では日本初となるウミウシ類の常設展示『うみうし研究所』を同館内に開設。現在までに4種のウミウシの飼育下繁殖に成功。鹿児島県内では磯のウミウシ観察会を主催する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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