出版社内容情報
『ブスの敵は美人ではなく、ブスを蔑視する人だ。「ブス」と言ってこちらをののしってくる人だ』
よみもの.comでの好評連載がついに書籍化!!
「ブス」をキーワードに、容姿から考える、差別とは、性別とは、理想の社会とは、を考えていきます。
私は社会を変えたいと思う。
これまでの仕事で、他のテーマで書いたエッセイの中に、「ブス」という単語をちらりと紛れ込ませたことが何回かあった。
すると、大きな反響があった。多くの人が「ブス」という言葉に関心を持っているようだ。ただ、その反響の多くが、「頑張ってください」というものだった。
つまり、「『“ブス”という単語が出てくる文章』=『劣等感の放出』」と捉えられてしまうのだ。慰めたり応援したりするのが読者の務め、と思わせてしまう。
「社会は変えられない。だから、『ブス』に関する文章っていうのは、個人の苦しみを吐露するだけのものだ。その言葉を聞いたり読んだりしたら、個人に対して『そのままでいいんだよ』と応援し、個人の気持ちを緩和させてあげなくてはならない」と多くの人が考えてしまう。
違う、と私は言いたい。「ブス」は個人に属する悩みではない、社会の歪みだ。社会は変えられる。
――「あとがき」より
内容説明
社会派作家が容姿差別を斬る!
目次
はじめに
自信、そして「勘違いブス」について
自信を持たない自由もあるし、持つ自由もある
差別語と文脈の関係
恋愛
「容貌障害」についてなど
結婚、それとトロフィーワイフのことなど
『源氏物語』の末摘花のこと
『シラノ・ド・ベルジュラック』における友情
アイドル総選挙〔ほか〕
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
作家。1978年生まれ。性別非公表。大学の卒業論文は「『源氏物語』浮舟論」。2004年に『人のセックスを笑うな』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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